軽トラック(軽トラ)のジャッキアップは、適切なポイントで行わないと車体を傷めたり、ジャッキが不安定になって事故の原因となる可能性があります。
安全に作業を行うために、ジャッキアップのポイントや注意点について詳しく解説します。
目次
軽トラのジャッキアップポイント
軽トラのジャッキアップポイントは、主に以下の4か所です。
フロント側
フロントクロスメンバー(サブフレームの中央部分)
- エンジンの少し後ろ側、フレームの中央に位置する。
- 頑丈な構造のため、フロント両輪を持ち上げる場合に適している。
- 車載ジャッキではなく、フロアジャッキ(ガレージジャッキ)を使用するのが望ましい。
フロントサイドシル(左右のサイドメンバーのジャッキポイント)
- フロントタイヤ後方のフレーム部分。
- 個別に左右どちらかを上げる場合に使用する。
- 純正の車載ジャッキを使用する際の標準的なポイント。
リア側
リアデフ(リジッドアクスルの中央部分)
- 後輪駆動の軽トラでは、デフ玉(ディファレンシャルケース)の下部。
- フロアジャッキで持ち上げれば、両側の後輪を同時にジャッキアップ可能。
- デフケースの形状に合わせてジャッキパッドを挟むと安定する。
リーフスプリング付け根のフレーム部分
- 後輪タイヤ前方、リーフスプリングの取付部分周辺。
- 個別に片輪だけジャッキアップする際に使用。
ジャッキアップの手順
車両を平坦で安定した場所に停める
- アスファルトやコンクリートの上で作業するのがベスト。
- 傾斜のある場所では、ジャッキが傾いたり、車が転がる危険がある。
サイドブレーキをかけ、輪止めを使用
- サイドブレーキをしっかりかける。
- 前後輪に輪止め(車止め)を設置しておくとより安全。
適切なジャッキポイントにジャッキをセット
- ジャッキの設置場所を確認し、フレームにしっかりと当たるようにセット。
- フロアジャッキを使用する場合は、ゴムパッドや木の板を挟むと安定する。
ゆっくり持ち上げる
- 急にジャッキアップすると、車体がズレる可能性があるので慎重に行う。
ジャッキスタンド(ウマ)を設置
- 車体が浮いたら、ウマ(リジッドラック)をジャッキポイントにセット。
- 車の下に入る作業をする場合は、ジャッキだけに頼らず必ずウマを使用。
ジャッキを下げて車両をウマに預ける
- ジャッキの力を少し抜いて、車両の荷重をウマに移す。
- これで安定して作業ができる。
ジャッキアップ時の注意点
車載ジャッキは応急用
- 車載ジャッキ(パンタグラフジャッキ)はタイヤ交換などの緊急時のみに使用するもの。
- 安定性が低いため、長時間の作業にはフロアジャッキを使うのが望ましい。
ジャッキだけに頼らない
- 車の下に潜って作業する場合は、必ずウマを使用。
- 万が一ジャッキが倒れたときに備えて、スペアタイヤを車体の下に置いておくと安全。
ジャッキポイント以外では持ち上げない
- フレーム以外の場所で持ち上げると、ボディや足回りにダメージを与える可能性がある。
フロアジャッキ使用時はゴムパッドを活用
- 金属同士が直接触れると滑ることがあるため、ゴムパッドや木材を間に挟むと安定する。
ジャッキアップ後の作業例
ジャッキアップした状態で可能な作業には、以下のようなものがあります。
- タイヤ交換・ローテーション
- ブレーキパッド交換
- 足回りの点検・メンテナンス
- オイルパンの清掃
- マフラーや排気系の点検
まとめ
軽トラックのジャッキアップは、フレームの適切なポイントを選んで行うことが重要です。
特に、フロントクロスメンバーやリアデフは全体を持ち上げるのに適したポイントで、個別のホイールを上げる際にはサイドのジャッキポイントを利用します。
安全に作業するために、ジャッキだけに頼らずウマを必ず使用することが大切です。
また、ジャッキアップ作業を行う前に車止め(輪止め)を設置し、安定した場所で作業することを忘れずにしましょう。