軽トラック(軽トラ)の塗装を行う際の具体的な手順について詳しく解説します。
塗装をする目的(外観をきれいにする、錆を防ぐ、カスタムペイントを施すなど)によって多少異なりますが、基本的な流れは共通しています。
目次
準備作業
必要な道具・材料を揃える
塗装には以下の道具が必要になります。
基本的な道具・材料
- 塗料(ウレタン塗料が耐久性がありおすすめ)
- プラサフ(プライマーサフェーサー)(下地用)
- クリア塗料(仕上げ用)
- ペイントスプレー(缶スプレー or エアガン + コンプレッサー)
- ペイントシンナー(塗料の希釈、清掃用)
- マスキングテープ、新聞紙(塗装しない部分を保護するため)
- サンドペーパー(#400〜#2000)(研磨用)
- スポンジブロック(均一に研磨するため)
- 脱脂剤(シリコンオフ)(表面の油分除去)
- 塗装用手袋(手を汚さないため)
- 防毒マスク(塗料の有害成分を防ぐ)
- スプレーブース or 屋外の風が少ない場所(塗装作業用)
- 耐水ペーパー(#800~#2000)(塗装後の仕上げ)
塗装前の下準備
洗車
塗装の前に車全体の汚れやホコリを完全に落とします。
特に油分やワックスが残っていると塗装がうまく乗らないため、しっかり洗浄しましょう。
マスキング
塗装しない部分(窓ガラス、ライト、エンブレム、タイヤ、バンパーなど)は、マスキングテープと新聞紙でしっかり覆います。
マスキングが甘いと、塗料が余計な部分に付着して仕上がりが汚くなるので、丁寧に作業しましょう。
旧塗装の剥離・研磨
塗装の密着を良くするため、表面を研磨します。
- 軽度な塗装 → #400〜#600のサンドペーパーで表面を軽く削る
- 古い塗装を完全に剥がす場合 → #240〜#400でしっかり研磨
- サビがある場合 → サビ取り剤を使うか、ワイヤーブラシとサンドペーパーでしっかり除去
- 深い傷がある場合 → パテを埋めて乾燥後、#400〜#600のペーパーで研磨
脱脂
塗装前に必ず「シリコンオフ」などの脱脂剤で油分を除去します。
油分が残っていると塗料が浮いたり剥がれやすくなるので、念入りに拭き取ります。
下地処理(プラサフ塗装)
プラサフ(プライマーサフェーサー)は、塗料の密着を良くし、サビ防止の役割を果たします。
プラサフを吹き付ける
- スプレーガンまたは缶スプレーを使い、軽く薄く均一に吹き付ける
- 1回で厚塗りせず、2~3回に分けて重ね塗りする
- 乾燥時間はメーカー推奨(通常30分~1時間)
プラサフの研磨
完全に乾燥したら、#800〜#1000の耐水ペーパーで表面を軽く研磨して滑らかにする。
塗装(ベースカラー)
塗料を準備する
- 塗料はシンナーで適切な粘度に調整する(2液ウレタン塗料の場合は硬化剤も混ぜる)
- スプレーガンを使う場合は、塗料の吹き出し量と空気圧を適切に調整
塗装を行う
- 1回目は「サッと薄く吹く」(下地を馴染ませるため)
- 2回目以降は、均一な厚みを意識して塗り重ねる
- 3~5回重ね塗りし、ムラがなくなるまで作業する
- 各層ごとに15〜30分の乾燥時間を取る(メーカー推奨)
乾燥
- 完全に乾燥させる(24時間以上推奨)
- 乾燥が不十分だと塗装が剥がれやすくなる
仕上げ(クリア塗装 & 研磨)
クリア塗装
- クリアを3~4回塗り重ねる(光沢感を出すため)
- 各回ごとに30分程度の乾燥時間を取る
- 完全乾燥には24時間以上必要
研磨
- #1500〜#2000の耐水ペーパーで表面の凹凸を軽く研磨
- コンパウンド(粗目→中目→細目→超微粒子)を使って磨く
- 最後にワックスをかけると、より艶が出る
仕上げ・確認
- マスキングを剥がす
- 乾燥不十分な箇所がないかチェック
- 塗装ムラや垂れがあれば修正
- 1週間以上は洗車を控える(完全硬化させるため)
塗装のコツ
- 風のない日を選ぶ(屋外作業の場合)
- 湿度が高い日は避ける(塗料が曇る原因になる)
- 均一に塗る(一度に厚塗りせず、薄く重ねる)
- 適切な距離を保つ(スプレー缶なら20~30cm、スプレーガンなら15~20cm)
- マスキングをしっかりする(はみ出し防止)
まとめ
軽トラの塗装は「下地処理」「プラサフ塗装」「カラー塗装」「クリア塗装」の順で進めるのが基本です。
作業のポイントは「しっかり研磨」「薄く重ね塗り」「完全乾燥」の3つ。DIYで行う場合でも、丁寧に作業すればプロ並みの仕上がりになります。
「どんな塗装をしたいか(オールペイント、部分補修、カスタムペイント)」によって細かい工程は変わりますので、目的に合わせて調整してください。