軽トラック(軽トラ)は、日本国内で非常に人気のある小型トラックで、農業や建築業、配送業など幅広い用途で活躍しています。
その最大積載重量(最大積載量)について詳しく解説します。
軽トラックの法的な最大積載重量
軽トラックは道路運送車両法に基づく「軽自動車」に分類されており、その最大積載重量は350kgと定められています。
これは、「貨物軽自動車」として登録される軽トラックに適用される一般的な上限値であり、どのメーカーの軽トラでもこの基準を超えることはできません。
最大積載量の決まり方
軽トラックの最大積載重量は以下の条件によって決まります。
軽自動車の規格
軽自動車の規格として、以下の条件を満たす必要があります。
- 車両総重量:3.4トン以下
- 車両サイズ:全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下
- 排気量:660cc以下
これらの条件により、軽トラはコンパクトな車体を持ちつつ、ある程度の荷物を積載できるように設計されています。
車両総重量と車両重量
- 軽トラックの車両総重量(最大積載時の総重量)は 車両重量+最大積載量+乗員重量 で決まります。
- 日本の法律では、軽貨物車の最大車両総重量は 2,500kg 以内と規定されています。
例えば、車両重量が 900kg の軽トラの場合: 最大積載量350kg+乗員(1人55kgと仮定)110kg+車両重量900kg=1,360kg最大積載量 350kg + 乗員(1人 55kg と仮定)110kg + 車両重量 900kg = 1,360kg
これは、法律の範囲内に収まるため問題なく運用できます。
積載量オーバーの危険性
最大積載量を超えて荷物を積むと、以下のリスクが発生します。
罰則(過積載違反)
道路交通法により、積載重量超過は罰則の対象となります。
- 10%超過:1点減点+反則金 9,000円
- 20%超過:2点減点+反則金 12,000円
- 30%超過:3点減点+罰則強化(営業停止命令の可能性)
走行性能の低下
- ブレーキの制動距離が伸びて危険
- ハンドリングが不安定になり、カーブでの横転リスク増加
- サスペンションへの負担増加で故障リスク上昇
車両の劣化
- タイヤの摩耗が早まる
- サスペンションやフレームに負担がかかり、寿命が縮む
- エンジンへの負担が増え、燃費悪化や故障のリスクが上がる
軽トラックのメーカー別最大積載量
各メーカーの軽トラックの最大積載量は基本的に350kgですが、モデルによって若干の違いがある場合があります。
メーカー | 車種 | 最大積載量 |
---|---|---|
スズキ | キャリイ | 350kg |
ダイハツ | ハイゼットトラック | 350kg |
ホンダ | アクティトラック | 350kg |
三菱 | ミニキャブトラック | 350kg |
スバル | サンバー | 350kg |
どのメーカーの軽トラも法的制限により350kg以上は積載不可となっています。
実際の運用で気をつけること
荷物の積み方
- 重量バランスを考えて積む(前後左右の偏りを避ける)
- 高さのある荷物は重心を低くして積む(転倒防止)
- 固定バンドやロープを使用し、走行中に荷物がずれないようにする
過積載にならない工夫
- 余計な荷物を載せない(工具・荷台の不要な装備)
- 軽い素材の荷台カバーを使用する
- 重量のある荷物は分割して運搬する
軽トラックでより多くの荷物を運びたい場合
最大積載量350kgの制限があるため、それ以上の荷物を運ぶには以下の方法が考えられます。
牽引トレーラーを利用
軽トラックでトレーラーを牽引すれば、より多くの荷物を運べます。
- 750kg以下のトレーラーならけん引免許不要
- ただし、車両総重量が2,500kgを超えないように注意
普通車登録の小型トラックを使う
- 軽トラより大きな1tクラスの小型トラック(トヨタ タウンエース、日産 NV100など)を使う
- 小型貨物車なら最大積載量750kg〜1,500kgのモデルが多い
まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
軽トラックの最大積載量 | 350kg(法律で規定) |
過積載のペナルティ | 減点・罰金・営業停止リスク |
リスク | 事故の危険性・車両劣化・燃費悪化 |
積載量オーバー対策 | 荷物のバランスを取る・固定する・トレーラーを利用 |
軽トラックの最大積載量は法律で厳しく制限されていますが、上手に運用すれば効率的に荷物を運ぶことができます
特に過積載は罰則があるだけでなく、車両や運転の安全にも関わるため、常に適正な積載量を守ることが大切です。
運搬効率を上げるために、荷物の積み方や分割搬送の工夫、トレーラーの活用などを検討すると、より安全に運用できます。