軽トラック(軽トラ)で高速道路を走ることは法律上問題ありません。
ただし、安全性や運転のしやすさに関していくつかの注意点があります。
以下、詳しく説明します。
軽トラックの高速道路における最高速度は100km/h
軽トラック(軽貨物車)の高速道路における最高速度は、2000年10月の法改正により、それまでの80km/hから100km/hへ引き上げられました。
これは、軽貨物車が「軽自動車」の一種として分類されているため、軽乗用車と同じ扱いを受けるためです。
ただし、これは 「最高速度」 であり、常に100km/hで走行すべきというわけではありません。
軽トラックは車体の構造上、高速道路での走行性能が乗用車と異なるため、安全性や快適性を考慮して適切な速度を選ぶことが重要です。
目次
軽トラックの高速走行における重要なポイント
安全性の観点から無理に速度を出さない
軽トラックは高速道路向きの車両ではないため、普通車のようにスムーズに高速巡航できるわけではありません。
特に以下の点に注意が必要です。
- 車体が軽く、横風に弱い
軽トラックは車体が軽く、重心が高いため、強風の影響を受けやすいです。
特に、以下の場所では風の影響が大きくなるため注意が必要です:- 橋の上
- トンネルの出口
- 山間部の開けた場所
- トラックやバスの横を走行するとき
- 衝突時の安全性能が低い
軽トラックはフロント部分が短く、衝突安全性能が普通車よりも低いため、万が一の事故時に重大な被害を受けやすいです。
高速道路では、万が一の事態に備えて無理な追い越しや急加速・急ブレーキを避けることが重要です。 - カーブや車線変更時の安定性が低い
軽トラックはホイールベース(前輪と後輪の間の距離)が短いため、高速道路での直進安定性やカーブ時の安定性が低いです。
高速道路では急なハンドル操作を避け、穏やかに操作するよう心がけましょう。
快適性:実際には80km/h程度が最適
軽トラックのエンジンやギア比の関係上、100km/h走行は可能でも快適ではないケースが多いです。
- 80km/h程度が最も安定しやすい
80km/h前後で走行することで、エンジン回転数が適切に保たれ、振動や騒音も抑えられます。 - 100km/hではエンジン回転数が高くなり、騒音・振動が増す
軽トラックのエンジンは排気量が660ccと小さいため、100km/h巡航ではエンジンの負荷が大きくなり、車内の騒音や振動が増す傾向にあります。 - 快適に走るためには、適度な速度を維持することが重要
実際の運転では、無理に100km/hを維持するのではなく、80~90km/h程度で流れに乗るのが最適な場合が多いです。
試験的な速度引き上げ区間
現在、日本の一部の高速道路では120km/hの試験運用が行われています。
- 120km/h区間の例(2019年3月から試験運用開始)
- 新東名高速道路(新静岡~森掛川)
- 東北自動車道(花巻南~盛岡南)
軽トラックも120km/h区間を走行可能ですが、基本的に100km/hが上限です。
つまり、120km/h区間であっても、軽トラックは最大100km/hまでしか出せません。
燃費の悪化
軽トラックは、ギア比とエンジン特性の関係で、80~90km/hが最も燃費が良い速度域とされています。
- 100km/h以上で巡航すると、エンジン回転数が上がるため燃費が悪化
- 軽トラックは車体が軽いため、高速道路での空気抵抗の影響を受けやすい
- アクセルを踏み込む時間が増えると燃費が悪くなる
燃費を気にするなら、100km/hではなく80~90km/hを意識して走行するのがベストでしょう。
まとめ
- 法律上、軽トラックの最高速度は100km/h
2000年の法改正で80km/hから引き上げられた。 - しかし、車両の特性上、無理に100km/hを維持する必要はない
- 横風に弱い
- 高速道路向きの設計ではない
- 100km/hではエンジン負荷が高く、振動・騒音が増える
- 快適な速度は80~90km/hが目安
- エンジンの負担が少なく、燃費も良い
- 車体の安定性も維持しやすい
- 120km/h区間でも軽トラックの上限は100km/h
- 特定の高速道路区間で120km/h制限が試験運用されているが、軽トラックには適用されない
おすすめの走り方
- 走行車線(左車線)をキープし、無理な追い越しを避ける
- 風が強い日は特に慎重に運転し、ハンドルをしっかり握る
- 80~90km/hを目安に走ると快適かつ燃費が良い
- 長距離を走る場合は、1~2時間ごとに休憩を取る
軽トラックでも高速道路は走れるが、安全運転を第一に考えてください。