トラックの日常点検は、トラックを安全に運行するための重要な作業であり、法令で定められた義務でもあります。
定期的な点検を行うことで、故障や事故のリスクを減らし、トラックの寿命を延ばすことができます。
以下に、トラックの日常点検の具体的なポイントと方法を詳しく説明します。
目次
日常点検の目的
- 安全確保: 走行中の事故を防ぐため。
- 法令遵守: 自動車点検整備基準に基づき、日常点検整備を実施することが求められます。
- 経済的な効率: 小さな不具合を早期に発見することで、大きな修理費用を防止。
- 燃費の向上: 正常な状態を保つことで燃費が改善される。
点検のタイミング
日常点検は、トラックを使用する前や運行後に行います。
特に長距離運行や荷物の積み下ろしが多い場合は、毎日点検することが推奨されます。
日常点検の項目
トラックの日常点検では、以下の項目を確認します。
外装・車体
- 車体の外観:
- キズや凹み、塗装の剥がれなど。
- ミラーやウインドウガラスにひび割れがないか。
- ランプ類の点灯確認:
- ヘッドライト、ウインカー、ブレーキランプ、フォグランプが正常に点灯するか。
- タイヤ:
- 空気圧が適正か(メーカー指定の空気圧に調整)。
- タイヤの溝の深さ(1.6mm以下は交換が必要)。
- 側面のひび割れや異物が刺さっていないか。
エンジンルーム
- エンジンオイル:
- オイルレベルゲージで量を確認。
- オイルが黒く劣化していないか。
- 冷却水(クーラント):
- リザーバータンクの液量が適正か。
- 液体が濁っていないか。
- バッテリー:
- 端子がしっかり接続されているか。
- 液量が不足していないか(メンテナンスフリーバッテリーの場合は不要)。
運転席・キャビン内
- ブレーキペダル・ハンドブレーキ:
- ペダルの踏み込みに違和感がないか。
- ハンドブレーキが正常に動作するか。
- 計器類:
- スピードメーター、燃料計、温度計、警告灯の動作確認。
- ホーン:
- 音が正常に鳴るか。
車両下部
- 漏れ確認:
- エンジンオイルや冷却水の漏れがないか。
- サスペンション・シャーシ:
- 破損や緩みがないか。
荷台
- 積荷の固定具:
- 荷物がしっかり固定されているか。
- ワイヤーやチェーンが劣化していないか。
必要な工具や備品
- トルクレンチ: タイヤナットの締め付け確認に使用。
- 空気圧計: タイヤの空気圧を測定。
- クロスやライト: 細かい部品の汚れや不具合をチェックするため。
トラブルの兆候と対応
- 異音がする: ブレーキやエンジンから異音がする場合、専門業者に点検依頼。
- ランプが点灯しない: バルブ交換や配線の修理を実施。
- タイヤの空気圧が低い: 最寄りのガソリンスタンドで調整。
点検結果の記録
- 日常点検を行った記録を残すことで、万が一のトラブル時に証明となります。
- 点検記録簿を使用して、どの項目をチェックしたか詳細に記載します。
日常点検の注意点
- 点検を怠ると整備不良車両とみなされ、罰則の対象となる場合があります。
- 点検が難しい場合は、専門の整備工場に依頼することも可能です。
まとめ
トラックの日常点検は、運行の安全性を確保し、法令を遵守するための基本的な取り組みです。
これらの点検をルーチン化し、小さな異常も見逃さないようにすることが、長期間安全にトラックを使用するための鍵となります。