トラックのタイヤ交換を行う際、逆ネジが使用されている場合があります。
この特殊な構造は、走行中にホイールナットが緩むのを防ぐためのものですが、知らないと交換作業時に混乱を招くことがあります。
以下では、逆ネジの仕組みや確認方法、タイヤ交換時の注意点について詳しく解説します。
目次
逆ネジとは?
逆ネジ(逆回りのネジ)は、通常のネジと締める方向が反対になっているネジのことです。
- 通常のネジ: 時計回りで締まり、反時計回りで緩む。
- 逆ネジ: 時計回りで緩み、反時計回りで締まる。
トラックの逆ネジが使われる理由
- トラックでは、走行中の振動や回転による力がホイールナットにかかります。
- 特に後輪や特定の車軸では、タイヤの回転方向に応じてナットが緩む可能性が高いため、逆ネジを採用することで緩みを防いでいます。
逆ネジが使用されている場所
後輪の左側(助手席側)
- 一般的なトラックでは、後輪の左側に逆ネジが使用されていることが多いです。
- 理由: タイヤの回転方向に応じて、逆ネジを使うことで走行中にホイールナットが緩むのを防ぐため。
メーカーや車種による違い
- 車種やメーカーによって、逆ネジが使用される場所が異なる場合があります。
- 詳細はトラックの取扱説明書で確認するか、専門業者に確認しましょう。
逆ネジの見分け方
ホイールナットの刻印を確認
- 逆ネジのナットには「L」や「逆ネジ」と刻印されていることが多いです。
- これが見える場合、通常とは反対方向に緩める必要があります。
ナットの形状や色で確認
- メーカーによっては、逆ネジのナットに特殊な形状や色を採用している場合があります。
タイヤ交換時の注意点
正しい工具を使用する
- トラックのタイヤ交換には大型のトルクレンチやインパクトレンチを使用します。
- 工具が適切でないと、ナットを傷める可能性があるため、専用工具を用意してください。
ナットを緩める方向を確認
- 逆ネジの場合、時計回りで緩むことを忘れずに。
- ナットの刻印を見て、通常ネジと逆ネジを確実に区別しましょう。
締め付けトルクを守る
- トラックのホイールナットは、適切な締め付けトルクを守ることが重要です。
- 一般的なトラックの場合、500~600Nm程度が推奨されますが、車種によって異なります。
- 過剰な締め付けや緩すぎる締め付けは事故の原因になります。
安全確認
- ナットがすべて適切に締め付けられていることを確認します。
- タイヤ交換後、数十キロ走行した後に再度ナットの緩みを点検すると安心です。
逆ネジを取り扱う際のトラブル回避法
力任せに回さない
- 逆ネジを知らずに通常のネジと同じ方向に力を入れると、ナットやネジ山を傷める可能性があります。
- ナットが緩まない場合は、逆方向に回して確認してください。
錆びつきの解消
- 長期間使用されている場合、ホイールナットが錆びついて外れにくいことがあります。
- 対処法:
- 潤滑スプレー(例: CRC556)を使用する。
- 軽く叩いて錆を緩めてから回す。
専門業者への依頼
- 自分で交換が難しい場合や、ナットが外れない場合は、無理をせずに整備工場や専門業者に依頼しましょう。
まとめ
トラックのタイヤ交換で逆ネジが使用されるのは、走行中の振動や回転によるナットの緩みを防ぐためです。
特に後輪の左側で逆ネジが採用されていることが多いので、作業前にナットの刻印や緩める方向を確認することが重要です。
適切な工具を使用し、締め付けトルクや安全確認を徹底することで、トラックの安全性を維持し、トラブルを未然に防ぎましょう。