トラックのタイヤが地面から浮いている状況は、荷重バランスや車両の整備状態に問題がある可能性を示しています。
タイヤが浮いていると接地圧が不足し、車両の安定性やブレーキ性能が低下するため、放置すると重大な事故につながる可能性があります。
以下では、トラックのタイヤが浮く原因とその対処法について詳しく解説します。
目次
タイヤが浮く主な原因
荷重の不均衡
- 原因: 荷物が片側に偏ったり、前後方向にバランスが崩れている場合、特定のタイヤに十分な荷重がかからず浮くことがあります。
- 症状:
- 停車時または走行中に特定のタイヤが地面から離れている。
- 荷物の配置を確認すると、偏りがある。
エアサスペンションの異常
- 原因: トラックのエアサスペンションシステムに異常がある場合、車高が不均衡になり、特定のタイヤが浮くことがあります。
- 症状:
- タイヤが浮いている箇所のエアバッグに空気が入っていない、または過剰に入っている。
- エアコンプレッサーやエアバルブの故障が考えられる。
不適切な軸重分配
- 原因: トラックの車軸ごとの荷重配分が不適切な場合、特に前輪または後輪が浮きやすくなります。
- 症状:
- 車両が水平になっていない。
- サスペンションが不自然に沈んでいる箇所がある。
タイヤのサイズや圧力の不適合
- 原因: タイヤの空気圧が不均一、またはタイヤサイズが異なると、均等に荷重を分散できず浮く原因となります。
- 症状:
- 浮いているタイヤの空気圧が極端に高い、または低い。
- タイヤのサイズが他と異なっている。
道路条件や駐車場所の影響
- 原因: 坂道や凹凸のある地面に駐車すると、車両が傾き、タイヤが浮くことがあります。
- 症状:
- 平坦な場所ではタイヤが正常に接地している。
タイヤが浮いた場合の影響
- ブレーキ性能の低下
浮いているタイヤではブレーキ力が働かないため、全体の制動力が低下します。 - 車両の不安定性
荷重バランスが崩れることで、走行中に横転や蛇行のリスクが増加します。 - タイヤやサスペンションの損傷
浮いているタイヤや過剰に荷重がかかっているタイヤが早期に摩耗・損傷する可能性があります。
タイヤが浮いている場合の対処法
荷物のバランスを調整
- 荷物が均等に配置されているか確認し、必要に応じて再配置します。
- 特に重量物は、車両の中央または軸ごとに均等に分配するように心がけます。
エアサスペンションの点検
- エアサスペンションが装備されている場合、以下を確認します。
- エアバッグの状態(空気漏れや破損)。
- エアバルブやコンプレッサーの動作。
- 故障が確認された場合は、速やかに整備工場で修理を依頼します。
車軸荷重の調整
- 車軸ごとに荷重が適切に分散されているか確認します。
- 荷物の再配置や荷台の調整を行い、法定範囲内で荷重を均等に保ちます。
タイヤの空気圧を調整
- タイヤの空気圧をトラックの指定値に合わせます。
- すべてのタイヤが同じ空気圧になっていることを確認します。
地面の確認
- 駐車場所が平坦であるか確認し、傾斜がある場合はできるだけ平坦な場所に移動します。
専門整備が必要な場合
以下の場合は、専門の整備工場での点検が必要です。
- タイヤが浮いている状態が荷物や空気圧の調整後も改善しない。
- エアサスペンションやサスペンション全体に異常がある。
- 車軸やフレームの損傷が疑われる。
予防策
- 定期点検を実施
エアサスペンションやタイヤの状態を定期的にチェックし、問題を未然に防ぎます。 - 適切な積載を心がける
荷物の重量や配置に注意し、荷重バランスを保ちます。 - 駐車場所の選定
傾斜の少ない平坦な場所を選び、駐車時のタイヤ浮きを防ぎます。
まとめ
トラックのタイヤが浮く原因は、荷重バランスの崩れやエアサスペンションの異常など、多岐にわたります。
浮いているタイヤは車両の安全性や効率に影響を及ぼすため、早急に原因を特定し、適切な対処を行うことが重要です。
定期的な点検と整備を心がけ、安全で効率的な運行を維持しましょう。