トラックのサイドブレーキ(パーキングブレーキ)の調整は、安全に駐車するために非常に重要です。
特にトラックのような大型車両では、サイドブレーキがしっかりと効くようにしておくことが不可欠です。
以下では、トラックのサイドブレーキの調整方法について詳しく説明します。
目次
調整に必要な工具と準備
- 必要な工具:
- ジャッキ(後輪を持ち上げるため)
- レンチ
- スクリュードライバー
- 調整用のスパナ(トラックの種類によっては専用の工具が必要)
- 準備:
- トラックを平坦で安全な場所に停車させ、エンジンを切り、ギアをニュートラルにします。
- サイドブレーキを解除した状態で、後輪をジャッキで持ち上げます。後輪が自由に回る状態を作ることで、調整がしやすくなります。
- 事故防止のため、トラックの前輪には必ず輪留めを行い、安全性を確保してください。
調整ネジの位置を確認
- トラックのサイドブレーキは、ブレーキシューがリアホイールのドラム内で拡張して固定する仕組みです。調整ネジの位置は、サイドブレーキワイヤーの途中か、リアホイールの裏側にあることが一般的です。
- 調整ネジがドラムブレーキ内部にある場合は、リアホイールを取り外す必要があります。ホイールを外すと、ドラムブレーキの調整ネジが見えるはずです。
- 調整ネジは、多くの場合、「+」または「-」のマークがついており、時計回りに回すとブレーキが強く、反時計回りで緩むようになっています。
サイドブレーキワイヤーの調整
- 調整ネジがワイヤー部分にある場合、サイドブレーキレバーの根元や車両の下部に調整用のネジがあることが多いです。
- ワイヤーを少しずつ締めることで、サイドブレーキの引き具合を調整できます。調整中は、サイドブレーキレバーを数回引いたり解除したりして、ワイヤーが適切に動くことを確認します。
- 目安として、サイドブレーキを引いたときに5~7段程度のクリック音が聞こえる程度に調整します。クリック音が少なすぎる(2~3段以下)と引きすぎ、逆に多すぎる(8段以上)と緩すぎる可能性があります。
ドラムブレーキのシュー調整
- リアホイールのドラムブレーキに直接調整機構がある場合、ドラム内の調整ネジを使用して、ブレーキシューとドラムの隙間を調整します。
- ドラム内の調整ネジを時計回りに回すとシューが広がり、反時計回りでシューが緩みます。
- シューをドラムに軽く接触させるように調整し、ホイールが自由に回るが、少しの抵抗がある状態を目指します。この調整により、サイドブレーキが確実に効くようになります。
ブレーキペダルとサイドブレーキの連動確認
- 調整後、サイドブレーキを引き、車両が動かないことを確認します。
- サイドブレーキを解除した後にブレーキペダルを踏んでみて、スムーズに効くか、異音がないかも確認しましょう。サイドブレーキと通常のブレーキが連動している場合、正常に作動していないとブレーキ系統に影響が出る可能性があります。
実際の道路でのテスト
- 調整が完了したら、安全な場所で駐車してみて、サイドブレーキの効き具合を確認します。トラックを少し動かしてからサイドブレーキを引き、確実に車両が止まるかを確認します。
- サイドブレーキを引いた状態で緩やかな坂道に停車し、車両が動かないことを確認します。このテストにより、サイドブレーキが必要な力で効くことを確認できます。
注意点
- サイドブレーキが効きすぎると、ブレーキシューやドラムに過度な負荷がかかり、摩耗が早く進むため注意が必要です。
- 逆に、サイドブレーキが緩すぎると、傾斜地で駐車した際にトラックが動いてしまう危険性があるため、しっかりと効くように調整してください。
定期的なメンテナンスの重要性
- サイドブレーキは定期的に点検し、必要に応じて調整を行うことが推奨されます。特にトラックは使用頻度が高く、長時間にわたり使用されることが多いため、サイドブレーキのワイヤーやブレーキシューの摩耗が進む傾向があります。
- メンテナンス不足が原因で車検に通らないこともあるため、定期的な点検・調整を行いましょう。
まとめ
トラックのサイドブレーキの調整は、安全を確保するために重要な作業です。
ワイヤーやドラムブレーキの調整を正しく行うことで、トラックが確実に駐車できる状態を保つことができます。
トラックの構造やサイドブレーキのタイプによっては、手順や調整方法が異なることもありますので、車両の取扱説明書を確認するか、専門業者に依頼するのも一つの方法です。