トラックの車検が通らないケースには、さまざまな理由があります。
車検は安全性や環境基準を満たしているかを確認するための検査であり、基準を満たさない車両は通過できません。
以下に一般的なトラックの車検が通らないケースを詳しく説明します。
目次
エンジンや排ガスの不備
- 排気ガスの基準値を超える車両は車検を通りません。ディーゼル車にとっては特に重要で、NOx(窒素酸化物)やPM(粒子状物質)の排出基準が厳しく設定されています。
- 排ガス装置(DPFやEGR)が不良な場合、排ガス基準を満たせず不合格になります。また、黒煙が多く出る場合も検査で指摘されることがあります。
- エンジン自体に問題がある場合、アイドリングや加速時の振動や騒音が基準を超えると不合格になります。
ブレーキの不具合
- ブレーキの効きが十分でない場合や、左右のブレーキ力のバランスが取れていない場合も車検を通過できません。
- 特に大型車両のブレーキは安全に大きく関わるため、ディスクやパッド、キャリパーの状態が良好である必要があります。ブレーキ液の漏れや劣化も不合格の原因です。
タイヤの摩耗と状態
- タイヤの溝が1.6mm未満になると車検に通りません。トラックは重量があるためタイヤの摩耗が早く、こまめなチェックが必要です。
- タイヤの側面にヒビや傷が入っている場合や、異常な摩耗(偏摩耗)が見られる場合も不合格となります。また、スタッドレスタイヤは、冬季以外では使用できない地域もあります。
灯火類(ライト類)の不具合
- 前照灯(ヘッドライト)、尾灯、ブレーキランプ、方向指示器、ハザードランプなど、すべての灯火類が正常に動作している必要があります。点灯しない、または光量が基準以下のライトは不合格となります。
- ヘッドライトの光軸がズレている場合も不合格となるため、事前に光軸調整が必要です。
サスペンションやシャーシの問題
- サスペンションが摩耗や故障している場合、走行中の安定性に影響が出るため不合格となることがあります。ショックアブソーバーの劣化も同様です。
- シャーシ(車体フレーム)が錆びて穴が空いていたり、腐食が進んでいる場合、強度不足と見なされ不合格となります。
車体のサイズや重量オーバー
- 車検の基準では、車両の全長、全幅、全高が規定内である必要があります。荷台を改造したり、荷物を積載したまま検査を受けると、基準を超える場合があります。
- また、トラックの最大積載量を超えている場合も車検が通らないため、検査時には注意が必要です。
窓ガラスやミラーの状態
- フロントガラスに大きなヒビが入っている場合や、視界が悪くなるほどの傷や汚れがある場合、車検には通りません。
- サイドミラーやバックミラーが割れている、または見えにくい状態だと不合格になることがあります。
車体の外観(塗装や錆)
- トラックの車体が錆びている場合や、塗装が剥がれていると、それが安全性に影響を及ぼすと判断されることがあります。特に錆が進行している場合、車体の強度に影響を与えるため、不合格となる可能性があります。
排気音が大きすぎる
- 排気音が基準以上の場合も不合格です。排気管やマフラーが劣化していたり、交換品が基準を満たしていない場合、車検を通過できません。
ナンバープレートや車検証に不備
- ナンバープレートが正しく取り付けられていない、または読み取りにくい場合も車検に通らないことがあります。また、車検証と車両の情報が一致している必要があるため、改造が行われた場合には事前に届け出が必要です。
その他の法令に基づく規定違反
- 改造や車体の変更が法令に違反している場合も不合格です。特にエアロパーツの取り付けや、ローダウンが施されている場合は規定を確認しなければなりません。
まとめ
車検が通らない原因は非常に多岐にわたりますが、安全性や環境保護の観点から厳しい基準が設けられています。
車検に備えて、定期的に点検や整備を行い、車両の状態を良好に保つことが重要です。