トラックのサイドブレーキの仕組みについて

2024年10月14日

トラックのサイドブレーキ（パーキングブレーキ）の仕組みについて詳しく説明します。

サイドブレーキは、主に車両を停止状態に保つために使用される補助的なブレーキシステムで、駐車時や坂道での車両の後退や前進を防ぐ重要な役割を担っています。

トラックのサイドブレーキは、普通車とは少し異なる仕組みを持っている場合があり、特にエアブレーキを採用しているトラックでは、構造がより複雑になります。

サイドブレーキの基本的な役割

サイドブレーキは、主に次の2つの状況で使用されます。

駐車時の安全確保: 車両が停車している間、特に傾斜地で車が動き出すのを防ぐために使います。
緊急時のブレーキとしての使用: 万が一、主ブレーキが機能しない場合、サイドブレーキは緊急ブレーキとしても利用されることがありますが、主に車両を完全に停止させるものではなく、車の動きを遅らせるために設計されています。

トラックでは、以下の2つの異なるサイドブレーキシステムが一般的です。

普通車と同様、ケーブルを使用した機械式のサイドブレーキが一部のトラックにも使われています。

このシステムは以下のように機能します。

多くの大型トラックでは、エアブレーキ（空気圧式ブレーキ）が主ブレーキおよびサイドブレーキに使用されています。

このシステムは、主に圧縮空気を利用してブレーキを作動させるもので、特に重量のある車両に適しています。

エアブレーキのサイドブレーキは、以下のように動作します。

スプリングブレーキ: トラックのサイドブレーキは、多くの場合「スプリングブレーキ」と呼ばれる仕組みを使っています。エアブレーキシステムでは、通常走行時には圧縮空気によってスプリングが抑えられ、ブレーキが解除されています。
サイドブレーキ作動時: 駐車時にサイドブレーキを作動させると、圧縮空気が解放され、強力なスプリングがリアホイールに直接力を加えてブレーキがかかる仕組みです。このスプリングブレーキは、エアの供給が停止したり圧力が下がった場合に自動的に作動するため、空気圧が不足しても安全に車両を停止させることができます。
緊急時: 万が一、ブレーキシステムの圧縮空気が不足した場合でも、スプリングブレーキが自動的に車両を停止させるため、特に安全性が高いです。

トラックのサイドブレーキは、以下のような主要な構成部品から成り立っています。

ブレーキレバーまたはペダル: 運転席にあるサイドブレーキの操作装置で、レバー式やフットペダル式があります。これを引いたり踏んだりすることで、ブレーキを作動させます。
スプリングブレーキチャンバー: エアブレーキシステムの中核となる部品で、圧縮空気がこのチャンバーに供給されている間はスプリングが圧縮され、ブレーキが解除されます。エアが抜けるとスプリングが拡張し、ブレーキが作動します。
ブレーキケーブルまたは空気圧システム: 機械式ブレーキではケーブル、エアブレーキでは空気圧がブレーキシステムを作動させる役割を担っています。
リアホイールのブレーキ機構: サイドブレーキがリアホイールに対してどのように作動するかにより、ドラムブレーキやディスクブレーキが用いられます。

サイドブレーキは、車両の安全を保つために重要な役割を果たすため、定期的な点検とメンテナンスが必要です。

特に以下の点が重要です。

ケーブルの摩耗や緩み: メカニカルケーブル式の場合、ケーブルが摩耗や緩みで正常に動作しなくなることがあります。定期的な点検でこれを防ぐ必要があります。
エアブレーキシステムのエア漏れ: エアブレーキの場合、システム内にエア漏れがあると、正常にブレーキがかからない可能性があります。空気圧が正しく維持されているかどうかを確認することが重要です。