トラックのクッション、特にサスペンションやショックアブソーバーに関するオイル漏れは、車両の性能や乗り心地に悪影響を与える問題です。
オイル漏れの原因はいくつか考えられますが、主に以下のような要因が影響しています。
ゴムシールやオーリングの劣化
トラックのサスペンションやショックアブソーバーには、オイルを密封するためのゴム製シールやオーリングが使用されています。
これらのシールは時間とともに劣化し、ひび割れや硬化が生じることがあります。
劣化したシールは、オイルが外部に漏れる原因となります。
特に過酷な環境（極端な温度、長時間の使用、振動など）では、シールの劣化が早まることがあります。
ピストンやロッドの摩耗・損傷
ショックアブソーバー内には、オイルを押し出して衝撃を吸収するためのピストンやロッドが含まれています。
これらの部品が摩耗したり、傷ついたりすると、オイルシールとの密着性が失われ、オイルが漏れる原因になります。
たとえば、石やゴミがロッドに当たって傷をつけると、それがシールを傷つけてオイル漏れを引き起こすことがあります。
ショックアブソーバーの過剰な負荷
トラックは重量が大きいため、サスペンションやショックアブソーバーには通常よりも大きな負荷がかかります。
特に重い荷物を積んで走行したり、悪路を長時間走行すると、ショックアブソーバーが過剰に作動し、内部のオイルに対して異常な圧力がかかることがあります。
この圧力がシールや他の部品に負担をかけ、結果としてオイル漏れを引き起こす可能性があります。
取り付け不良や組み立て時のミス
ショックアブソーバーやサスペンションシステムを取り付ける際に、シールの位置が正しくない、締め付けが不十分、または部品の取り付けにミスがあった場合、オイル漏れが発生することがあります。
特に新しいショックアブソーバーやサスペンションの取り付け後すぐにオイル漏れが発生した場合は、取り付け不良の可能性があります。
衝撃や事故による損傷
事故や大きな衝撃（例：激しい段差や穴ぼこに高速で突入するなど）によって、ショックアブソーバー自体が物理的に損傷することがあります。
この場合、外部のシールや内部の部品が破損し、オイル漏れが発生します。
オイルの劣化や不足
ショックアブソーバー内部のオイル自体が、長期間の使用により劣化することがあります。
オイルが劣化すると、その粘性や潤滑性が失われ、適切な衝撃吸収ができなくなるほか、シールの保護機能も低下するため、漏れの原因となります。
また、オイルの量が不足している場合も、内部の圧力バランスが崩れ、オイル漏れを引き起こす可能性があります。
温度変化や環境条件
過酷な環境条件、特に極端な温度差や湿度の変化は、サスペンションやショックアブソーバーのシールやオイルに悪影響を与えることがあります。
寒冷地ではオイルが固化し、シールが硬くなることで漏れやすくなり、逆に高温環境ではオイルが熱膨張し、シールの圧力に耐えきれず漏れる可能性があります。
不適切なオイル選択
一部のトラックでは、指定されたオイルの粘度やタイプに基づいてショックアブソーバーが設計されています。
もし、誤った種類のオイルや粘度の低いオイルを使用した場合、シールの保護が十分でなくなり、オイル漏れを引き起こす可能性があります。
予防と対応策
- 定期的なメンテナンスを行い、シールの劣化や部品の摩耗を早期に発見することが重要です。
- ショックアブソーバーのオイルやシールを定期的に交換することで、劣化による漏れを防ぐことができます。
- 適切なオイルを使用し、過負荷を避けるために荷物の積載制限や路面状況への配慮を行うことも重要です。
これらの点に注意することで、トラックのクッションオイル漏れを予防し、長期間にわたって快適な走行を維持することができます。
