軽トラック(軽トラ)は日本の運送業や農業、建設業で広く利用されており、荷台をダンプ仕様に改造することで作業の効率化を図ることができます。
結論から言うと、軽トラにダンプ機能を後付けすることは可能です。
ただし、改造の方法、費用、法的な手続きなどを考慮する必要があります。
以下では、ダンプの後付け方法、種類、費用、必要な手続き、注意点について詳しく解説します。
目次
軽トラに後付けできるダンプの種類
軽トラの荷台をダンプ化する方法には、以下の3種類があります。
手動ダンプ(アオリダンプ)
- 荷台のあおり(側面パネル)を開閉して、手作業で荷物を排出する仕組み
- シンプルな構造で、低コスト(数万円程度)
- 重い荷物には不向き
- 機械的な改造が不要
油圧式ダンプ(電動油圧式)
- 油圧シリンダーを使って荷台を傾ける方式
- スイッチ1つで操作でき、労力が不要
- 後付けが可能で、もっとも一般的な改造方法
- 小型のポンプと油圧シリンダーを取り付けるため、車両への加工が必要
- 費用は15万~30万円程度
油圧+電動アシスト式
- 油圧ダンプに電動アシストを組み合わせたタイプ
- 積載量が多くてもスムーズに動作
- 30万円以上の高コスト
- 業務用で使用頻度が高い方向け
軽トラにダンプを後付けする方法
DIYで後付けする
市販の後付けダンプキットを購入して、DIYで取り付ける方法があります。
キットには、油圧シリンダー・油圧ポンプ・電源ユニット・操作スイッチなどが含まれています。
必要なもの
- 市販のダンプキット(15万~25万円)
- 工具(スパナ、レンチ、ジャッキ、電動ドリルなど)
- 12Vバッテリー配線の知識
- フレーム補強が必要な場合、溶接作業
取り付け手順
- 荷台の取り外し(一部の軽トラはボルトで固定されているため簡単に外せる)
- 油圧シリンダーの取り付け(荷台の下に取り付け、荷台を支える構造にする)
- 油圧ポンプの設置(バッテリー電源を使って動作する)
- 配線作業(スイッチを運転席に設置)
- 動作確認とテスト運転
- 仕上げと調整
ポイント
- 自分で取り付ける場合、説明書をよく読んで慎重に作業する
- 必要に応じて溶接加工やフレーム補強を行う
- 安全確認を徹底する
専門業者に依頼する
- 専門のカスタムショップや車両改造業者に依頼する方法
- 加工の精度が高く、保証がつくため安心
- 費用は20万~40万円程度
- 施工期間は1週間前後
業者によっては、中古のダンプ機構を流用してコストを抑えることも可能。
ダンプ後付けにかかる費用
項目 | 費用目安 |
---|---|
市販のダンプキット | 15万~25万円 |
DIY取り付け費用 | 0~3万円(工具代) |
専門業者での取り付け | 20万~40万円 |
フレーム補強(必要な場合) | 3万~10万円 |
車検や構造変更手続き | 1万~3万円 |
車検と法的手続き
ダンプ機構を後付けすると、車検や法的な手続きを行う必要があります。
車検の可否
- ダンプ化によって車両の重量やバランスが変わるため、車検時に構造変更申請が必要
- 軽トラックの最大積載量(350kg程度)を超えないように注意
- 取り付けるダンプキットが認可を受けたものか確認(無認可だと車検に通らない)
構造変更手続き
- 運輸支局で「構造変更検査」を受ける
- 費用は約1万~3万円
- 検査を受けないと、車検証の記載と異なる状態になり、車検時に不合格となる可能性あり
軽トラをダンプ化する際の注意点
- 荷台の重さに注意
- ダンプ化によって荷台が重くなり、積載量が減少する可能性あり(最大積載量を確認)
- フレーム補強の必要性
- 軽トラのフレームはダンプ化を想定していないため、強度不足になる場合がある
- 必要なら補強作業を行う
- バッテリーへの負荷
- 電動油圧ダンプはバッテリーを消耗しやすい
- バッテリー容量をアップグレードするのも選択肢
- 運転時のバランス
- 荷台を上げた状態での走行は厳禁(転倒リスクあり)
- 重心が変わるため、走行時のバランスに注意
- 中古ダンプ軽トラを買う選択肢
- 既にダンプ化されている中古の軽トラックを購入するのも一つの手
- 費用は50万~100万円程度で、車両価格と改造費用を比較して決める
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
ダンプ後付けは可能? | 可能(DIY・業者依頼どちらも可能) |
方法 | 手動ダンプ、油圧ダンプ、油圧+電動 |
DIY費用 | 15万~25万円(工具代別) |
業者依頼の費用 | 20万~40万円 |
必要な手続き | 構造変更申請、車検 |
注意点 | フレーム補強、バッテリー負荷、重量バランス |
軽トラックのダンプ化は、荷物の積み降ろしを効率化するために非常に便利ですが、改造にはコストと手間がかかります。
コストと用途を考えて、DIYと業者依頼のどちらが適しているか判断すると良いでしょう。