ボンネットトラックは、運転席の前にエンジン部分が配置され、ボンネットで覆われている構造のトラックを指します。
現代のキャブオーバー型(運転席の下にエンジンがあるトラック)と比較して、昔ながらのクラシックなデザインが特徴です。
目次
特徴
- エンジン位置
- エンジンが運転席の前にあるため、メンテナンスがしやすいという利点があります。
- その一方で、全長が長くなるため、狭い場所での取り回しはキャブオーバー型より難しい場合があります。
- デザイン
- クラシックな外観で、ノスタルジックな雰囲気を持つため、愛好家やレストアを楽しむ人々に人気があります。
- 昔ながらのアメリカの大型トラックやヨーロッパのトラックの多くがこの形状を採用していました。
- 運転の快適性
- 運転席がエンジンの真上にないため、熱や振動が直接伝わりにくく、快適な運転環境を提供します。
- エンジン音もキャブオーバー型に比べて静かになる傾向があります。
- 積載能力
- キャブオーバー型と比べると運転席前部が長いため、荷台部分の長さが短くなり、同じ全長の車両で比較すると積載能力が若干低いことがあります。
メリットとデメリット
メリット
- メンテナンス性
エンジンが露出しやすいため、修理や点検が容易です。 - 快適性
エンジンの熱や振動、騒音の影響が少なく、長距離運転に適しています。 - 耐久性
丈夫なフレーム構造が多く、長寿命の車両が多いです。
デメリット
- 全長の長さ
ボンネット部分があるため、狭い場所での操作が難しくなることがあります。 - 積載効率
同じ車両全長で比較すると、積載スペースが少なくなる傾向があります。 - 燃費の悪化
空気抵抗が増えやすく、燃費性能がキャブオーバー型より劣る場合があります。
用途
- 主に長距離輸送や、高速道路での走行に適しており、特に広大な土地がある国(アメリカやオーストラリアなど)で現在も多く使用されています。
- 一部では、軍用車両や特別用途車両(消防車や救急車)としても使用されることがあります。
日本での状況
日本では、道路事情(狭い道や駐車スペースの制限)や積載効率を重視する文化から、キャブオーバー型のトラックが主流となっています。
そのため、ボンネットトラックはほとんど見られなくなりましたが、一部の古いモデルや海外輸入車をレストアして楽しむファンもいます。
有名なボンネットトラックのモデル
- アメリカ
- ピータービルト(Peterbilt)
- ケンワース(Kenworth)
- マック(Mack)
- ヨーロッパ
- スカニア(Scania)
- メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)
- 日本
- いすゞ・TXシリーズ
- 日産ディーゼルの旧モデル
現代での需要と役割
現在では、ボンネットトラックは生産されることが少なくなりましたが、そのクラシックなデザインやノスタルジックな魅力からコレクター市場で高い人気があります。
また、映画やドラマ、イベント用の車両としても活躍しています。