トラックの運転席(キャビン・コックピット)は、ドライバーが運転や作業を快適に行うための空間です。
普通車と比べて機能が多く、運転のしやすさや安全性、長距離運転の快適性を重視した設計がされています。
目次
トラックの運転席の基本構造
トラックの運転席は大きく分けて以下のようなパーツで構成されています。
運転席(シート)
トラックの運転席のシートは、長時間運転しても疲れにくいように設計されています。
以下のような特徴があります。
- エアサスペンションシート
- 振動を吸収し、長距離運転時の疲労を軽減する機能。
- 高級トラックにはシートの硬さを調整できるモデルもある。
- リクライニング機能・ランバーサポート
- 背もたれを調整し、腰への負担を軽減する機能。
- 腰部を支えるランバーサポート付きのシートも多い。
- アームレスト付き
- 肘を置くことで安定した運転ができる。
ダッシュボード・計器類
トラックのダッシュボードには、運転に必要な情報を提供する計器類が多数搭載されています。
- スピードメーター(速度計)
- 速度を確認できる。
- タコメーター(回転計)
- エンジンの回転数を表示し、燃費運転やエンジン負荷の管理が可能。
- 燃料計・温度計
- ディーゼル燃料の残量やエンジンの温度を表示。
- エアブレーキ圧力計(大型車)
- 大型トラックのエアブレーキの圧力を管理するための計器。
- エコモニター(最新モデル)
- 燃費をリアルタイムで表示し、エコドライブをサポートする機能。
ハンドル(ステアリング)
トラックのハンドルには、普通車よりも多くの機能が付いています。
- チルト・テレスコピック機能
- ハンドルの高さや奥行きを調整できる。
- パワーステアリング
- 低速時でも軽い力で操作できる。
- ステアリングスイッチ(最新モデル)
- 走行中にオーディオやクルーズコントロールを操作可能。
シフトレバー
トラックにはマニュアル(MT)とオートマ(AT)の両方が存在し、シフトレバーの形状や操作方法が異なります。
- フロアシフト(床置き)
- マニュアル車に多く、Hパターンで操作する。
- コラムシフト(ステアリング横)
- AT車に多く、スペースを有効活用できる。
- セミオートマ(AMT:Automated Manual Transmission)
- マニュアルとオートマの中間的な変速機で、クラッチ操作が不要なモデル。
ペダル配置
トラックのペダルは、普通車と異なる点が多い。
- アクセルペダル
- ブレーキペダル
- クラッチペダル(MT車)
- 補助ブレーキ(エンジンブレーキ・リターダー)
- 長い下り坂などで使用し、ブレーキの負担を減らす。
サイドブレーキ
- レバー式(旧型車)
- プッシュボタン式(新型車)
- フットペダル式(海外トラック)
トラックの運転を快適にする装備
トラックは長距離運転が多いため、ドライバーの快適性を考慮した装備が充実しています。
クルーズコントロール
- 高速道路などで一定速度を維持する機能。
- 燃費の向上や疲労軽減に役立つ。
エアコン・ヒーター
- 運転席はもちろん、寝台スペースにも送風機能を備えている車両もある。
ナビゲーション・ETC
- 最新のトラックは専用のカーナビを搭載。
- 高速料金の自動決済用のETC機器が標準装備されることが多い。
デジタルタコグラフ
- 走行距離や速度、休憩時間などを記録する装置。
- 法律で装着が義務化されている車両も多い。
無線・通信システム
- 業務連絡用の無線機やBluetoothハンズフリーが装備されることも。
大型トラック特有の機能
大型トラックには、普通車や小型トラックにはない特有の装備があります。
スリーパーキャブ(寝台スペース)
- 長距離運転の際に仮眠できるスペースが設置されている。
- ベッドのほか、収納棚やカーテン、照明などが付いている。
モニター・カメラ装備
- バックモニター:トラックの死角を減らし、安全性を向上。
- サイドカメラ:左折時や車線変更時に周囲を確認できる。
- ドライブレコーダー:事故記録用。
電動ミラー・ワイドミラー
- ミラーの角度を調整できる電動ミラー付き。
- 視野を広げるワイドミラーも多い。
エアブレーキ
- 大型車はブレーキをエア(圧縮空気)で作動させるため、エアタンクがある。
- エアの圧力が一定以下になるとブレーキが効かなくなるため、注意が必要。
まとめ
トラックの運転席は、普通車とは異なり、長時間運転の快適性や安全性を考慮した設計がされています。
特に、大型トラックではエアブレーキや寝台スペース、各種カメラ装備などが充実しており、プロのドライバーが快適に運転できるよう工夫されています。
もし特定のトラックの運転席について詳しく知りたい場合は、メーカーごとの仕様を比較するのもおすすめです!