トラックの運転席の上部(いわゆる二階部分)に設置される寝台は 「バンクベッド」 や 「オーバーヘッドベッド」 と呼ばれ、長距離輸送を担うトラックドライバーが仮眠や休息を取るための設備です。
この寝台は、特に大型トラックや長距離トラック(トレーラーやトラックヘッド)に搭載されることが多く、日本国内でも高速道路を走る長距離輸送車両でよく見られます。
目次
バンクベッドの特徴
設置位置
バンクベッドは、運転席(キャブ)の上部、つまり トラックの二階部分 に設置されることが一般的です。
一部のトラックでは、キャブ後部(運転席の後ろ)にフルフラットの寝台が設けられることもありますが、日本のトラックではスペースを有効活用するため、バンクベッドのスタイルが主流となっています。
ベッドのサイズ
- 一般的なサイズは 幅70〜90cm × 長さ180〜200cm 程度。
- トラックのメーカーやモデルによってサイズは異なりますが、大型トラックになるほど広めの設計になっています。
- 体格の大きな人でも横になれる程度のスペースは確保されていることが多い。
収納式のバンクベッド
- バンクベッドの中には、 折りたたみ式 や スライド式 のものもあります。
- 使わない時は収納できるため、日中の運転時にはキャビン内を広く活用できます。
- 一部のトラックでは、跳ね上げ式になっており、荷室や運転席の後ろ側のスペースを広く使えるようになっています。
バンクベッドの設備
バンクベッドには、ドライバーの快適性を向上させるためのさまざまな設備が備わっています。
マットレス・寝具
- トラックメーカー純正の 薄型マットレス が敷かれていることが多い。
- 快適性を求めて、自前で 厚めのマットレスや布団を持ち込む ドライバーもいる。
- 夏は 通気性の良いマット、冬は 電気毛布や毛布 を活用することも。
カーテン(プライバシー保護)
- 仮眠時に外からの視線を遮る カーテン が標準装備されていることが多い。
- 遮光カーテンを利用すると、昼間の仮眠でも快適に過ごせる。
- 車内の温度調節にも役立つ。
照明・コンセント
- バンクベッドには LEDライト や 小型ランプ が設置されていることが多い。
- 最近のモデルでは USBポートやシガーソケット(12V) がついており、スマホやタブレットの充電が可能。
空調(エアコン・ヒーター)
- 運転席のエアコンがバンクベッドにも届く設計になっているものが多い。
- 一部のトラックには 独立したヒーター や エアコン を装備しているものもある。
- 夏場や冬場の車中泊には、ポータブルファンや電気毛布を活用するドライバーも多い。
収納スペース
- バンクベッドの下には 収納スペース が設けられていることが多い。
- 衣類や食料、仕事用具 などを整理するための小物入れや棚も設置されていることがある。
バンクベッドを使った休息の重要性
長距離トラックの運転手は、長時間の運転による 疲労 が大きな問題となります。
そのため、休息のために バンクベッドの活用が非常に重要 です。
休憩と仮眠の義務
- 日本の道路交通法では 長距離ドライバーの連続運転時間が4時間を超えてはならない とされている。
- 4時間ごとに 30分以上の休憩 を取ることが義務付けられている。
- さらに、1日当たりの運転時間にも制限があり、仮眠を取ることは事故防止のために不可欠。
長時間の待機時間の活用
- 配送先での 荷降ろし待ち時間 に仮眠を取ることが多い。
- 道の駅や高速道路の パーキングエリア(PA)やサービスエリア(SA) で休憩することも一般的。
バンクベッドをより快適にする工夫
長距離トラックドライバーの中には、快適な睡眠環境を作るためにさまざまな工夫をしています。
寝具の工夫
- 厚めの低反発マットレス を敷くことで寝心地を向上させる。
- 夏場は 冷感シーツ、冬場は 毛布や電気毛布 を活用。
- 体にフィットする 枕(ネックサポート付き) を使用する。
防音・遮光対策
- 耳栓やアイマスク を活用して騒音や光を遮る。
- 遮光カーテン を追加で取り付けることで快適な睡眠環境を作る。
断熱・温度管理
- 夏場は ポータブルファンやクーラー を使用。
- 冬場は エンジンを止めても使える独立ヒーター(FFヒーター) を設置。
快適な空間づくり
- 収納ボックスを使って荷物を整理し、ベッド周りをスッキリさせる。
- 簡易カーテンやプライバシーシェードを使って 個室感 を高める。
まとめ
トラックの二階にある バンクベッド(オーバーヘッドベッド) は、長距離運転手にとって欠かせない休息スペースです。
運転席の上部に設置されるこの寝台は、収納式や固定式 のものがあり、快適な睡眠環境を整えるための 照明、エアコン、収納スペース、遮光カーテン などが備わっています。
さらに、仮眠や休憩をしっかり取ることは 運転の安全性向上 にもつながります。
快適なバンクベッド環境を整えることで、ドライバーの健康と運行効率の向上が期待できます。