トラックのDPD(Diesel Particulate Diffuser)警告灯が点灯した場合、これは主に排気ガス浄化システムに問題があることを示しています。
このシステムは、ディーゼルエンジンの排気中に含まれる粒子状物質(PM)を捕集し、燃焼させて浄化する役割を担っています。
警告灯が点灯する理由とその対処方法を以下に詳しく説明します。
目次
DPD警告灯が点灯する主な原因
- DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)の目詰まり
粒子状物質がDPFに過剰に溜まり、自動再生機能が正常に動作しなくなった場合。 - エンジンや排気系の不具合
センサーやエンジンの動作異常でDPDの再生機能が働かない場合。 - 適切な走行条件での運転不足
長時間低速運転やアイドリングが続くと、DPDの再生が行われない場合があります。 - システム自体の故障
温度センサーや排気圧センサーの故障、あるいは制御ユニット(ECU)の異常。
警告灯が点灯したときの対処法
自動再生を試みる
DPDは通常、運転中に高温の排気を利用してフィルター内のPMを燃焼(再生)します。
以下の方法を試してください。
- 高速走行を行う
高速道路などで60~80km/h以上の速度で20~30分程度走行し、排気温度を上昇させる。- アイドリングや短時間の低速走行では再生されません。
- 再生が始まるとDPD警告灯が消えることがあります。
マニュアル再生を実行する
- 車両に手動再生モードがある場合
停車中にマニュアル再生モードを実行できます。マニュアル再生ボタンが車内に設置されている場合は、以下を確認してください:- 車両を安全な場所に停車させる。
- エンジンをアイドリング状態にする(回転数を高めない)。
- 再生ボタンを押して手動再生を開始する。
- 再生が完了すると警告灯が消えます。
再生できない場合
再生が成功しない場合、以下のような対応が必要です。
- 車両をディーラーまたは整備工場に持ち込む
プロのメカニックによる診断が必要です。以下の作業が行われる可能性があります。- フィルターの清掃または交換。
- 排気系のセンサーや部品の点検。
- ECUのエラーログ確認。
放置した場合のリスク
DPD警告灯を無視すると、次のような問題が発生する可能性があります。
- エンジン出力の低下
ECUが安全モードに入り、出力制限がかかることがあります。 - エンジンや排気系の重大な損傷
長期間目詰まりを放置すると、DPFやターボチャージャーが故障する可能性があります。 - 法的・環境的問題
排気ガス規制違反となり、罰則の対象となることがあります。
予防策
- 定期的なフィルター清掃
メーカーの推奨する間隔でDPFの清掃を実施する。 - 適切な運転習慣
長時間のアイドリングや低速運転を避け、定期的に高速道路での運転を行う。 - 品質の良い燃料を使用する
不純物が少ない燃料を使用することでフィルターの詰まりを軽減。
まとめ
DPD警告灯が点灯した場合、まずは高速走行やマニュアル再生を試して問題を解消してください。
それでも解消しない場合は、早めに整備工場で点検を受けることが重要です。
放置はさらなるトラブルを引き起こす原因となりますので、速やかな対応を心がけましょう。