トラックの荷台に人が乗ることについては、日本の道路交通法および関連法令において、基本的には違法とされています。
ただし、特定の条件や状況下では例外として認められる場合もあります。
以下に詳しく解説します。
目次
道路交通法における荷台乗車の規定
日本の道路交通法では、トラックの荷台に人が乗る行為は、一般的に禁止されています。
その理由は、荷台は人が安全に乗ることを前提として設計されていないため、事故が発生した際に重大な危険が伴うからです。
道路交通法第55条
「座席以外の場所に乗車してはならない」と定められています。
トラックの荷台は座席として設計されていないため、これに違反する形となります。
違反した場合の罰則
トラックの荷台に人が乗車し、警察に摘発された場合、以下の罰則が科せられる可能性があります。
- 違反点数：1点（運転者）
- 罰金：2万円以下の罰金または過料（運転者）
なお、運転者だけでなく、荷台に乗っていた人自身も注意や指導の対象になる場合があります。
例外的に認められる場合
トラックの荷台に人が乗ることが法的に許される例外的な状況が、いくつか存在します。
以下の条件を満たせば、違法とはなりません。
やむを得ない作業に伴う乗車
- 工事現場や建設現場での作業において、作業員が荷台に乗る必要がある場合。
- 農作業において、農地内の短距離移動で作業員が乗車する場合。
※ 道路を通行する場合でも、作業や農作業に必要とされる特別な状況が認められる必要があります。
荷台に乗ることが必要なイベント
- お祭りやパレードなどの特別な行事で、荷台を利用するケースです。
- この場合、警察署から事前の許可を取得する必要があります。
災害時や緊急時
- 災害時に救助活動や運搬が必要で、他に手段がない場合。
許可の取得手順
イベントや作業でやむを得ず荷台に乗る必要がある場合は、事前に以下の手続きを行う必要があります。
- 管轄の警察署へ届け出
- イベントや作業内容、必要性を記載した申請書を提出します。
- 警察の審査・許可
- 適正であると判断された場合、荷台乗車が認められます。
- 安全対策の実施
- 必要に応じて、安全装置（手すりや固定具）を設置し、安全を確保する義務があります。
安全性と注意点
許可がある場合でも、以下の安全対策が重要です。
- 低速走行を徹底する（法定速度を大幅に下回る速度）。
- 安全装置の設置：手すり、シートベルト、固定具など。
- 乗車人数の制限：必要最低限の人数に限る。
まとめ
- 原則として、トラックの荷台に人が乗ることは道路交通法で禁止されており、違反した場合には罰則が適用されます。
- 例外として、工事現場・農作業・祭りなど特別な事情があり、警察の許可を得た場合は認められます。
- 安全対策は必須であり、法令順守を徹底することが重要です。
安全第一で行動し、必要な場合には必ず事前に警察署へ相談・許可申請を行うようにしましょう。
