トラックの排気量は、使用目的や車両の規模に応じて大きく異なります。
以下では、トラックの排気量について、分類や特徴を含めて詳しく解説します。
目次
トラックの排気量の分類
トラックの排気量は、小型・中型・大型の3つのカテゴリーで分けられ、それぞれの用途や性能に応じたエンジン仕様が採用されています。
小型トラック
- 排気量
通常 2.0L~3.5L 程度が一般的です。- 代表車種: トヨタ「ダイナ」、日野「デュトロ」、いすゞ「エルフ」など。
- 特徴
- 主に市街地や近距離輸送に適しています。
- 荷物の配送業務や建築資材の運搬などで使用されることが多いです。
- 燃費性能が高く、取り回しが良いのが特徴です。
中型トラック
- 排気量
4.0L~8.0L 程度が主流です。- 代表車種: 三菱ふそう「ファイター」、日野「レンジャー」、いすゞ「フォワード」など。
- 特徴
- 中距離輸送や、大量の荷物を効率的に運ぶ用途で活躍。
- 都市間輸送や物流倉庫への配送などに使用。
- 積載量が多くなるため、パワーが必要で排気量が大きくなります。
大型トラック
- 排気量
通常 10.0L~15.0L 以上のものが多いです。- 代表車種: 日野「プロフィア」、いすゞ「ギガ」、三菱ふそう「スーパーグレート」など。
- 特徴
- 長距離輸送や大量輸送に適した設計。
- 高速道路での走行性能や耐久性を重視した大型エンジン。
- 重量物の運搬やコンテナ輸送など、大規模な物流に対応可能。
排気量とエンジンの種類
ディーゼルエンジン
トラックは主にディーゼルエンジンを搭載しており、排気量に応じて以下のような特徴があります。
- 小型ディーゼルエンジン
- 排気量: 約2.0L~3.5L。
- 低燃費で環境性能が高く、小型トラックに採用される。
- 大型ディーゼルエンジン
- 排気量: 10L以上。
- トルクが非常に大きく、大型貨物の運搬に必要なパワーを提供。
ガソリンエンジン
- 一部の小型トラックではガソリンエンジンが採用される場合もあります。
- 例: 一般配送や冷蔵車などの特殊用途で利用されることが多い。
ハイブリッドエンジン
- 日野やいすゞなどのメーカーがハイブリッドモデルを開発。
- 排気量自体は4L~8Lのディーゼルエンジンが主流で、電動モーターと組み合わせることで燃費と環境性能を向上。
排気量の選択に影響する要因
積載量
- 排気量が大きいほど、より重い荷物を運ぶ能力が高まります。
- 小型トラック(2~3トン程度)は小排気量、中型・大型トラックは高排気量が求められます。
運行距離
- 長距離輸送には大排気量エンジンが求められるため、大型トラックが適しています。
- 短距離配送では、小型トラックの小排気量エンジンで十分です。
燃費とコスト
- 排気量が大きいほど燃料消費量も増えるため、運用コストが上昇します。
- 燃費性能が重要視される場合、ハイブリッドや小排気量モデルが選ばれることがあります。
トラックの排気量と環境規制
トラックの排気量は、環境規制にも影響を受けています。
例えば
- 日本の排ガス規制(平成28年規制など)
大排気量エンジンでも排出ガスを抑える技術が求められる。 - アドブルー(尿素SCRシステム)
排気ガス中の窒素酸化物を削減する技術が導入され、大型ディーゼルエンジンに普及。
トラックの排気量の具体例
以下は日本国内で販売されているトラックの排気量例です。
- いすゞエルフ(小型): 約2.99L(ディーゼル)
- 日野レンジャー(中型): 約5.12L~8.86L(ディーゼル)
- 三菱ふそうスーパーグレート(大型): 約10.7L~15.6L(ディーゼル)
海外トラックとの比較
- 欧州やアメリカでは、日本の大型トラックよりもさらに大排気量のエンジンを搭載した車両が多いです(例:スカニアやボルボの16Lエンジン)。
- 運行距離が長いため、耐久性やパワーが重視されます。
まとめ
トラックの排気量は、小型トラックでは2.0L~3.5L、中型トラックでは4.0L~8.0L、大型トラックでは10.0L以上と幅広く分布しています。
選択する排気量は、運搬する荷物の量や距離、燃費性能、法規制などの要素に基づいて決定されます。
排気量が大きいほど輸送能力やパワーが高まる一方、燃料消費や維持コストも増加します。
トラックを選ぶ際には、用途に応じた最適な排気量を選択することが重要です。