トラックの「4ナンバー」とは、車両のナンバープレートに記載される分類番号の一つで、小型貨物車両(軽貨物車を除く)に該当する車両に付与されます。
この分類にはサイズや用途、積載量に応じた基準があります。
以下では、4ナンバーの特徴や条件、利点、そして取得や運用に関する詳細を解説します。
目次
4ナンバーの概要
4ナンバーは、主に「小型貨物車」として登録された車両に与えられる分類番号です。
この番号は、車両の用途(貨物運搬)と車体の大きさによって決まります。
- 対象車両: 主に商用利用を目的とした小型トラックやバン、ピックアップトラック。
- 用途: 荷物の運搬がメイン(営業用・自家用どちらも可)。
- 分類番号: ナンバープレートの先頭に「4」または「104」といった番号が表示されます。
4ナンバーの登録条件
4ナンバー車として登録されるには、以下の基準を満たす必要があります。
車両サイズ
- 全長: 4.7メートル以下
- 全幅: 1.7メートル以下
- 全高: 2.0メートル以下
エンジン排気量
- 排気量の制限は特にありませんが、エンジンのサイズが4ナンバー車両のコンパクトな構造に適している必要があります。
最大積載量
- 2トン以下
(軽貨物車の場合はさらに制限が厳しく、これは軽自動車の「軽貨物」登録に該当します)
乗車定員
- 3人または6人(貨物スペースが優先される設計が必要)。
4ナンバーのメリット
維持費が安い
4ナンバー車は「小型貨物車」として扱われるため、維持費が抑えられることが特徴です。
- 自動車税 4ナンバー車は、自動車税が「排気量」ではなく「最大積載量」に基づいて課税されます。
- 一般的な小型貨物車の自動車税は年間 4,000円~16,000円程度。
- 同クラスの5ナンバー車(乗用車登録)と比較すると大幅に安くなります。
- 車検費用 4ナンバー車の車検は「毎年」行う必要がありますが、費用は軽減されています(主に重量税や整備費用が低い)。
商業利用に最適
貨物運搬が主な用途であるため、ビジネスでの使用に適しています。
- 荷室スペースが広く、効率的に荷物を運べる設計。
- 運搬効率と燃費のバランスが取れている。
車両の自由度が高い
小型貨物車の範囲内であれば、比較的自由にカスタマイズ可能。
例えば、荷台の改造や収納スペースの追加などが許されます。
4ナンバーの注意点
車検の頻度
- 4ナンバー車は「貨物車両」として扱われるため、車検は 1年ごと です。乗用車(3年後に初回、以降2年ごと)より頻繁な車検が求められます。
車両サイズ制限
- サイズ制限を超える車両は5ナンバーまたは1ナンバー(普通貨物車)として登録されます。商用用途でも大型の車両は1ナンバー登録となります。
用途変更の制限
- 登録時に貨物運搬を主目的として登録されるため、用途が「乗用メイン」になる場合は登録変更が必要です。
他ナンバーとの比較
4ナンバーと5ナンバーの比較(小型乗用車)
- 使用目的:
- 4ナンバー: 貨物運搬が主目的
- 5ナンバー: 乗用が主目的
- 維持費:
- 4ナンバーは税金が安いが、車検頻度が高い。
- 5ナンバーは車検頻度が少ないが、税金が高い。
4ナンバーと1ナンバーの比較(普通貨物車)
- 車両サイズ:
- 4ナンバーは小型、1ナンバーは中型~大型。
- 用途:
- 1ナンバーはさらに大きな積載量を持つ商業車向け。
4ナンバー車の具体例
- トヨタ ハイエースバン(小型貨物仕様)
- 日産 NV200バネット
- 三菱 ミニキャブバン(軽貨物仕様とは別)
- スズキ キャリイ(軽トラック)
まとめ
4ナンバーは、商業利用や経済性を重視した車両登録の形式であり、小型貨物車両に適したナンバープレートです。
その維持費の安さや運用効率の良さから、配送業や個人事業主の間で人気があります。
一方で、車検の頻度や車両サイズの制限といった注意点もあるため、用途に応じた適切な選択が重要です。