トラックの積荷可能な荷物の高さに関しては、日本国内では法規制や車両の仕様によって決まります。
以下に法的な制限や注意点、トラックの種類ごとの目安を詳しく説明します。
目次
法規制に基づく積載高さの制限
日本では道路交通法および道路運送車両法に基づき、トラックの積荷可能な高さは次のように制限されています。
最大積載高さ
- 地面からの高さ: 3.8m が上限
ただし、通行する道路の高さ制限や橋梁、トンネルなどの構造物の影響を受ける場合があるため、事前の確認が必要です。
制限緩和条件
- 特殊な許可を取得した場合や、特定の目的で運行するトラックについては例外が認められる場合があります。たとえば、重機運搬や特殊貨物輸送の場合には、道路管理者からの許可を得ることで高さ制限を超える積載が可能になることもあります。
トラックの種類別積荷高さの目安
トラックの積載高さは車両の構造や仕様により異なります。
以下は一般的な例です。
平ボディトラック
- 荷台の高さ: 約 0.8m~1.2m
- 最大積荷高さ: 荷台の高さを含めて地面から3.8mまで。荷物の固定が重要です。
アルミバン・ウィングボディ
- 車両の内部高さ(荷室高さ): 2.3m~2.5m(車両の仕様により異なる)
- この場合、荷物の高さは荷室内の高さ制限によります。
冷凍・冷蔵車
- 荷室高さ: 2.0m~2.4m
- 温度管理のため、天井付近の空気循環スペースを確保する必要があります。
トレーラー(セミトレーラー含む)
- 荷台の高さ: 約 1.0m~1.2m
- 最大積荷高さ: 地面から3.8mまでが基本。
コンテナ車
- 国際コンテナの高さ: 一般的な20ft・40ftコンテナの高さは約 2.6m~2.9m(High Cubeは約3.0m)
実務上の注意点
道路環境の確認
積載高さを決定する際は、通行する道路の高さ制限を確認してください。
特に以下の要素が重要です。
- 橋梁やトンネルの高さ: 高さ制限標識を確認。
- 高速道路の規制: 一部の高速道路では積載高さの事前申告が必要。
荷物の固定
高さがある荷物を積む際は、以下を徹底しましょう。
- ラッシングベルトやチェーンを用いて確実に固定。
- 重心が高くなる場合、横転リスクを防ぐため、荷台上の重量バランスを調整。
法定点検の実施
積荷が法定の高さや重量を超えていないかを、出発前に確認する必要があります。
特に違反した場合、罰則や運送会社への行政指導の対象となる可能性があります。
高さを超える場合の対応方法
積載高さが制限を超える場合は、以下の手順を取ります。
特殊車両通行許可の取得
- 国土交通省や地方自治体が発行する許可が必要。
- 許可申請には積荷の詳細や経路図が求められます。
荷物の分割輸送
- 荷物を分割可能であれば、複数のトラックで輸送する方法を検討。
輸送手段の変更
- 高さ制限が緩いトレーラーや低床トラックを利用。
よくある質問
Q. トラックの荷物が高さ制限を超えた場合、違反になるのか?
はい、地面からの高さが3.8mを超える場合、違反となり罰則の対象になります。
荷物や車両の状態によっては、積荷の降ろし命令が出されることもあります。
Q. 高さ制限を超える荷物を運びたい場合、どのような手続きをすればよい?
「特殊車両通行許可」を取得してください。
この許可により、特定の条件下で制限を超える輸送が可能です。
まとめ
トラックの積荷可能な高さは、法規制に基づいて決まりますが、車両の種類や運行経路によって実際の対応が異なります。
荷物を安全かつ効率的に運ぶためには、規制を守りつつ、適切な車両選択や固定方法を採用することが重要です。