日本におけるトラックの販売台数は、経済状況や社会的要因により変動しています。
以下に近年のトラック販売台数の推移とその背景について詳しく説明します。
2019年以前の状況
2019年以前、日本のトラック市場は比較的安定しており、年間約9万3,000台の普通トラック(積載量4トン以上の大型・中型トラック)が販売されていました。
2020年から2022年の動向
新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年から2022年にかけてトラックの販売台数は減少傾向にありました。
特に2022年には、普通トラックの新車販売台数が約5万7,000台と、過去10年間で最低の水準となりました。
この減少の要因として、パンデミックによる経済活動の停滞や半導体不足などの供給制約が挙げられます。
2023年の回復傾向
2023年には、普通トラックの販売台数が前年比19.0%増の6万6,499台となり、4年ぶりに前年実績を上回りました。
これは、コロナ禍の影響が薄れ、半導体不足の解消が進んだことによるものです。
しかし、架装メーカーの生産能力が追いつかず、納期の長期化が課題として残っています。
2024年の見通し
2024年のトラック市場は、さらなる回復が期待されています。
いすゞ自動車の中村治執行役員は、「過去の生産制約の受注残がまだあることに加え、日野自動車も正常化してくれば、潜在ニーズは悪くない」と述べています。
また、三菱ふそうトラック・バスの林春樹副社長も「新車の登録台数は右肩上がり。代替需要もしっかりとある」としています。
ただし、物流業界では「2024年問題」と呼ばれる運転手の時間外労働規制強化による輸送能力不足の懸念があり、各社の対応力が問われています。
メーカー別の動向
2023年のメーカー別販売台数では、いすゞ自動車が前年比38.0%増、三菱ふそうトラック・バスが同38.4%増と大幅に販売を伸ばしました。
一方、日野自動車はエンジン認証不正問題の影響で販売が低迷しています。
まとめ
日本のトラック販売台数は、コロナ禍や供給制約の影響で一時的に減少しましたが、2023年には回復の兆しが見られます。
今後も市場の動向を注視し、各メーカーの対応や政策の影響を考慮することが重要です。