トラックの「鳥居」とは、一般的にトラックの荷台の前方に取り付けられているフレーム構造を指します。
このフレームは、荷物の安全を確保し、荷台の前方にある運転席のキャビンを保護する役割を持っています。
名前の由来は、形状が日本の神社にある「鳥居」に似ていることからきています。
鳥居の主な役割は以下の通りです。
荷物の保護
トラックの荷台に積まれた荷物が運転中に前方に滑り込むのを防ぎます。
急ブレーキや事故などで荷物が前方に動くと、運転席やキャビンに損傷を与える可能性があります。
鳥居があることで、荷物がキャビンに直接当たらないようにし、運転者を守ります。
キャビンの保護
鳥居はキャビンの後ろに設置されるため、荷物がキャビンに直接ぶつからないように保護します。
また、積み荷がキャビンの窓ガラスや車体にダメージを与えることを防ぐ役割もあります。
積み荷の安定化
鳥居は、特に長い荷物や背の高い荷物を積む際に安定させるために使われます。
例えば、木材やパイプのような長物を積むとき、鳥居に立てかけるようにして固定することで、走行中に荷物が不安定にならないようにできます。
アクセサリの取り付け
一部のトラックでは、鳥居にライトやアンテナ、工具箱などのアクセサリーを取り付けることができます。
また、荷物を固定するためのフックやベルトを装着するための固定具としても使われることがあります。
デザインや装飾の要素
トラックのカスタムやデコトラ(デコレーショントラック)文化では、鳥居の部分を装飾して個性を表現することがあります。
例えば、クロームメッキのフレームや、ネオンライトを付けるなどのカスタマイズが行われることもあります。
材質と形状
鳥居は、通常は頑丈な金属製(鋼鉄やアルミニウム)で作られており、トラックのタイプや荷物の種類によって形状が異なります。
軽量のトラックにはアルミ製の鳥居が使われることが多く、重量物を運ぶ大型トラックにはより強固な鋼鉄製のものが使われる傾向があります。
法律と規制
日本では、トラックの鳥居は積荷の安全に関わる重要な部分であり、一定の基準に従って設計・取り付けが行われる必要があります。
運送業界では、鳥居がない場合や不十分な場合、荷物の落下や事故が発生するリスクがあるため、法的に適切な仕様にすることが求められています。
まとめると、トラックの鳥居は安全面で非常に重要な役割を果たしており、特に積み荷の保護やキャビンの保護の観点から欠かせないパーツです。
トラックの機能性と安全性を高めるための必須の装置といえます。