トラックの排気ブレーキの使い方について

トラック,イメージ

トラックの排気ブレーキ(エキゾーストブレーキ)は、大型車両や商用車で用いられる補助ブレーキの一つです。

主に下り坂などでエンジンブレーキだけでは減速が不十分な場合や、フットブレーキの過熱を避けたい場合に使用します。

ここでは、排気ブレーキの仕組みや使い方、注意点について詳しく説明します。

目次

排気ブレーキの仕組み

排気ブレーキは、エンジンの排気系統に働きかけてエンジンの回転を抑え、減速効果を生み出すシステムです。

具体的には以下のような仕組みで作動します。

  • 排気圧の増加: 排気ブレーキを作動させると、排気管に設置されたバルブ(排気バルブ)が閉じられ、排気の流れを制限します。これにより、エンジン内の排気ガスの流出が制限され、排気圧が上昇します。
  • エンジンブレーキとの連携: 排気圧が上昇すると、エンジンの回転が抑えられ、エンジンブレーキと同様に車両の速度を減速する効果が得られます。このとき、エンジンブレーキだけではなく、排気ブレーキも併用することでより強力な制動力が得られます。
  • 制動力の増強: 排気ブレーキの制動力は、車両の減速時にエンジンの出力を抑えるため、下り坂など長時間の減速が必要な場面で特に効果的です。

排気ブレーキの使い方

排気ブレーキは、適切な場面で使用することが重要です。

フットブレーキだけでは車両にかかる負荷が大きくなるため、排気ブレーキを補助として使用することで、走行の安全性を高めることができます。

操作手順

排気ブレーキのスイッチをオンにする

  • トラックの運転席にある排気ブレーキのスイッチを操作してオンにします。通常、このスイッチはステアリングホイールやダッシュボードの付近に配置されています。
  • スイッチをオンにすると、排気ブレーキが作動可能な状態になります。

アクセルペダルから足を離す

  • 排気ブレーキを使用する際、アクセルペダルを踏んでいる状態では効果が出ないため、アクセルペダルから足を離して減速を開始します。
  • アクセルを離すことで、エンジンの負荷が排気系統にかかり、排気ブレーキが作動します。

減速の補助として利用

  • 下り坂などでスピードが出過ぎないよう、排気ブレーキを利用して車速を抑えます。
  • 排気ブレーキを作動させると、通常のフットブレーキやエンジンブレーキよりも強力な減速が可能です。

適切なギアを選択

  • エンジンブレーキと排気ブレーキを併用する場合、適切なギアを選択することが重要です。下り坂では、低めのギアを使用することでエンジンの回転数が高まり、ブレーキ効果が強化されます。

排気ブレーキを使用する場面

排気ブレーキは、次のような状況で使用すると効果的です。

  • 長い下り坂: 下り坂での長時間のブレーキングは、フットブレーキに過度な負荷をかけ、ブレーキが過熱するリスクがあります。排気ブレーキを使用することで、フットブレーキの使用頻度を減らし、安全に減速が可能です。
  • 積載時の減速: トラックが満載の場合、車両の重量が増し、通常のブレーキ操作だけでは減速が難しくなることがあります。排気ブレーキを併用することで、フットブレーキの負荷を軽減できます。
  • 高速道路での緩やかな減速: 排気ブレーキは、エンジンブレーキと同じように、アクセルを離すだけで車両のスピードを緩やかに落とすことができるため、高速道路での緩やかな減速にも役立ちます。

注意点

排気ブレーキの使用にはいくつかの注意点があります。

正しい使い方を心がけることで、車両や運転者の安全を確保できます。

  • 過信しない: 排気ブレーキはあくまで補助ブレーキです。必要に応じてフットブレーキやエンジンブレーキを併用し、過信しないように注意します。
  • 適切なギアを選択する: 排気ブレーキの効果を最大限に引き出すためには、適切なギア選択が重要です。特に下り坂では低速ギアを使うことが推奨されます。
  • 空転状態では効果がない: 排気ブレーキは、エンジンの回転によって制動力を発揮します。そのため、クラッチを切ったりニュートラルに入れたりした状態では効果が得られません。常にエンジンとギアが繋がった状態で使用する必要があります。
  • 雨天時の使用: 排気ブレーキは雨天時でも効果的ですが、急激な減速は避けるべきです。路面が滑りやすい状態では、過度な減速が原因でスリップやコントロールの喪失を引き起こす可能性があるため、慎重に使用することが重要です。

排気ブレーキと他の補助ブレーキとの違い

排気ブレーキと他の補助ブレーキ(例えば、リターダーやジャコブスブレーキなど)には異なる特徴があります。

  • 排気ブレーキ: 比較的シンプルな構造で、排気系統に圧力をかけることでエンジンの回転を抑えます。操作が簡単で、メンテナンスコストが低いのが特徴です。
  • リターダー: より強力な補助ブレーキで、車両の駆動軸に制動力を直接与える仕組みです。排気ブレーキよりも制動力が強く、特に大型の商用車やバスで多く使用されますが、コストが高い傾向にあります。
  • ジャコブスブレーキ(エンジンコンプレッションブレーキ): エンジンの圧縮工程で制動力を生み出すシステムで、エンジンブレーキよりも強力な制動効果があります。通常、エンジン自体に仕組みが組み込まれており、エンジンの回転数に応じた制動力が得られます。

まとめ

トラックの排気ブレーキは、特に長い下り坂や積載時にフットブレーキの負担を軽減し、安全な減速を助ける補助ブレーキです。

適切なタイミングで使用し、エンジンブレーキやフットブレーキと併用することで、トラックの運転がより安全かつ効率的になります。

正しい操作方法と注意点を理解し、最適なブレーキングを心がけましょう。

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