トラックのギアと速度の目安は、トラックのタイプや積載重量、道路状況、エンジンの特性などに依存しますが、一般的なギア選択のガイドラインはあります。
以下にトラック運転におけるギアと速度の関係を詳しく説明します。
目次
発進時 (ローギア)
- 1速/ローギア(約0~10km/h)
- 発進時に使うギアです。特にトラックのように重量がある車両は、初動に高いトルクが必要なため、低速ギアで大きなトルクを発揮します。荷物が満載の状態や急勾配の登坂時には、1速が非常に重要です。
低速走行時
- 2速(約10~20km/h)
- 1速で十分に車体が動き始めたら、すぐに2速にシフトアップします。ここでの目安速度は10~20km/h程度です。このギアも発進直後や、重量を引っ張るために大きなトルクが求められる状況で使用します。
中速走行時
- 3速(約20~40km/h)
- トラックが巡航速度に向かって加速する過程で使用するギアです。比較的低い速度で走行する際、特に市街地や住宅街などで活躍します。
- 4速(約40~60km/h)
- 高速道路に乗る手前や、郊外の道路で通常使われるギアです。エンジン回転数を上げずに、燃費を意識しながら走行できる状態になります。
巡航時
- 5速(約60~80km/h)
- 高速道路や郊外の広い道で、荷物が少なめの場合や軽いトラックの場合は、5速を使います。60~80km/h程度で快適に巡航できるため、燃費効率がよくなります。
- 6速以上(80km/h以上)
- トラックによっては6速や7速、さらには10速のギアも搭載されており、高速道路での長距離移動に適しています。これらのギアは高回転を避けて燃費を改善し、エンジンに負荷をかけずに走行できるように設計されています。
減速時や下り坂
- 減速時やエンジンブレーキを利用したい場合は、スピードに合わせてギアをシフトダウンします。エンジンブレーキを使用するためには高いギアではなく、低いギアを使用するのが基本です。
- 3速や2速にシフトダウンすることで、エンジンブレーキの効果が得られ、ブレーキパッドの摩耗を抑えられます。
荷物の影響
積載量が大きい場合、加速やブレーキにかかる負荷が増加するため、ギアの選択が慎重になります。
たとえば、重い荷物を積んでいる場合は、同じ速度でも低めのギアを使用することがあります。
これはエンジンのトルクを最大限に活かして、無理なく加速や巡航ができるようにするためです。
路面状況や坂道
坂道や悪路を走行する場合は、より低いギアを使用します。
上り坂では高トルクが必要となるため、スピードが出ていても低速ギアに入れてエンジンに負荷をかけすぎないようにします。
また、下り坂ではエンジンブレーキを活用するために、ギアを低くしてエンジン回転数を高め、ブレーキだけに頼らない安全な減速を心がけます。
まとめ
- 低速(発進時~20km/h):1速~2速
- 中速(20km/h~60km/h):3速~4速
- 高速(60km/h以上):5速以上
荷物の重量や道路状況に応じてギアを調整することで、トラックの性能を最大限に活かし、安全で効率的な運転が可能になります。