トラックの車幅灯とはなんなのか

2024年9月16日

トラックの車幅灯（しゃはばとう）とは、車両の幅を示すためにトラックやバス、その他の大型車に装備されている灯火のことです。

車幅灯は、特に夜間や視界の悪い状況で、車両の存在を他の道路利用者に知らせる役割を果たし、車の幅をはっきりと示すために設けられています。

車幅灯の役割

車幅の視認性向上
- トラックなど大型車両は、車幅が乗用車に比べて広いため、他の車両や歩行者がその幅を誤認して事故が起こる可能性があります。車幅灯は、トラックの端を明確に示し、他の道路利用者がトラックの実際の幅を正確に把握できるようにします。特に夜間や霧など視界が悪い状況では、この役割が非常に重要です。
安全性の向上
- トラックは、道路幅いっぱいに広がることが多いため、特に交差点や狭い道で他の車が接近する際に、誤って接触しないようにするために車幅灯が必要です。車幅灯が点灯していることで、他のドライバーや歩行者が安全な距離を保ちながら接近することができます。
道路交通法上の規定
- 日本の道路交通法では、大型車両には一定の灯火装置が義務付けられており、車幅灯もその一つです。車幅灯は、トラックの幅が2.1メートル以上ある場合に取り付けが必要です。具体的には、トラックやバスなどの大型車両の最も外側の左右に取り付けられることが多いです。

車幅灯の設置場所と形状

設置場所
- 車幅灯は、トラックの前後の最も外側の部分に取り付けられます。前方では、ヘッドライトの上部や側面、もしくはキャビンの上部（トラックの運転席の上）に設置されることが一般的です。後方では、荷台の端やテールランプに近い位置に取り付けられます。
- 車幅灯が両サイドに配置されることで、他の車両や歩行者はトラックの幅全体を確認することができ、特に追い越しやすれ違いの際に接触事故を防ぐことができます。
灯火の色
- 車幅灯の色は一般的に「白色」か「琥珀色（オレンジ）」です。前面に設置される場合は白色、側面や後部に設置される場合は琥珀色であることが多いです。ただし、後部の車幅灯は赤色であることもあります。色の規定は国や地域によって異なる場合がありますが、これらの色が使われることで他のドライバーに車幅が容易に認識されます。
形状とデザイン
- 車幅灯は小型のランプであり、明るさはそれほど強くありませんが、車両の端を正確に示すために設計されています。多くのトラックでは、LED車幅灯が使われており、耐久性が高く、電力消費が少ないのが特徴です。また、LEDの方が視認性が高く、悪天候や夜間でもはっきりと視認できます。

車幅灯の使用方法

夜間および悪天候時
- 夜間走行時には必ず車幅灯を点灯させる必要があります。これにより、他の車両がトラックの幅を正確に判断し、適切な車間距離を保つことができます。
- 悪天候時（霧、豪雨、雪など）にも、視界が悪くなるため、車幅灯の点灯は非常に重要です。これにより、周囲の車両に自分の存在と車両のサイズを知らせることができ、事故を防ぐ効果があります。
点灯の義務
- 多くの国では、大型車両に対して車幅灯の点灯が法律で義務付けられています。これに違反すると罰則の対象となる場合もあるため、トラック運転手は常に車幅灯が正常に作動しているかを確認し、必要なときに点灯させることが求められます。

車幅灯とその他の灯火装置の違い

車幅灯 vs スモールランプ（ポジションランプ）
- 車幅灯とスモールランプは混同されがちですが、それぞれ異なる役割を持ちます。スモールランプは、車両の存在を周囲に知らせるためのライトで、ヘッドライトよりも明るさが控えめです。一方で、車幅灯は特に車幅を明示するために設置されているため、その取り付け位置や点灯目的が異なります。
車幅灯 vs マーカーランプ
- 車幅灯とマーカーランプもよく似た役割を持ちますが、厳密には異なります。車幅灯は車両の最も外側に取り付けられるもので、車の幅を示すのが主な目的です。一方、マーカーランプは車体の中央部や側面にも取り付けられることがあり、車両全体の長さや高さを示すために使用されることがあります。

車幅灯のメンテナンス

定期的な点検と交換
- 車幅灯が故障していると、他の車両にトラックの幅が正確に伝わらず、事故を招く可能性があるため、定期的な点検が必要です。特に長時間の運転や過酷な天候条件下では、車幅灯の電球が切れることがあります。そのため、LED車幅灯など耐久性の高いライトを使用することが推奨されます。
クリーニング
- ランプ自体が汚れていると、点灯していても光が拡散しにくくなるため、定期的な清掃も必要です。特に泥や雪、雨の影響で汚れがたまりやすいため、メンテナンス時にはライトのレンズ部分をきれいに保つようにしましょう。