2023年10月1日から、労働安全衛生規則の改正により、最大積載量2トン以上の貨物自動車で荷役作業を行う際の安全対策が強化されました。
主な改正点は以下の通りです。
目次
昇降設備の設置義務の拡大
- これまでは最大積載量5トン以上の貨物自動車が対象でしたが、改正後は2トン以上5トン未満の貨物自動車も対象となりました。
- 具体的には、荷を積み卸す作業(ロープ・シートの掛け・外しの作業を含む)を行う際、昇降設備の設置が義務付けられます。
保護帽(ヘルメット)の着用義務の拡大
- 最大積載量2トン以上の貨物自動車で、以下の条件に該当する場合、保護帽の着用が義務化されました。
- 荷台の側面が開放できる構造のもの(例:平ボディ車、ウイング車など)
- テールゲートリフターが設置されているもの(テールゲートリフターを使用して荷の積み卸しを行う場合に限る)
- 着用する保護帽は、墜落時保護用の国家検定に合格した製品である必要があります。
テールゲートリフターの操作に係る特別教育の義務化
- 2024年2月1日から、テールゲートリフターを使用して荷を積み卸す作業を行う労働者に対し、学科教育4時間、実技教育2時間の特別教育が義務付けられます。
背景と目的
これらの改正は、運送業における労働災害の約70%が荷役作業中に発生し、そのうち約40%が荷台などへの昇降時の転落・墜落によるものであることを受け、労働者の安全確保を強化するために実施されました。
違反時の罰則
労働安全衛生法に基づき、これらの規定に違反した場合、事業者には6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
まとめ
2023年10月1日から、最大積載量2トン以上の貨物自動車での荷役作業時には、適切な昇降設備の設置と保護帽の着用が義務化されました。
さらに、2024年2月1日からは、テールゲートリフターの操作に関する特別教育の受講も必要となります。
これらの措置は、労働災害の防止と労働者の安全確保を目的としています。