アジテータートラックについて

アジテーター,イメージ

アジテータートラックは、コンクリートミキサー車とも呼ばれ、生コンクリートを現場に運搬するための特殊車両です。

このトラックは、車体の後部に設置された回転式のドラムを使用して、生コンクリートを攪拌(アジテート)し、運搬中に品質を維持するよう設計されています。

以下では、アジテータートラックの構造、用途、作業の仕組み、そして運転のポイントについて詳しく説明します。

目次

アジテータートラックの構造

アジテータートラックは主に以下のパーツで構成されています。

  • 回転ドラム(ミキシングドラム): トラックの後部に取り付けられている円筒形のドラムで、生コンクリートを攪拌する役割を果たします。ドラムの内側には螺旋状の羽根(フィン)が取り付けられており、ドラムの回転によってコンクリートを混ぜながら移動させます。ドラムは一定の速度で回転し続けることで、コンクリートの固化を防ぎ、品質を保つことができます。
  • ドラムの回転方向: ドラムの回転方向によって生コンクリートの流れが異なります。通常、ドラムが前方(運転席側)に回転すると攪拌が行われ、逆に回転するとコンクリートが排出される仕組みです。
  • ウォーターポンプと水タンク: コンクリートの品質調整やドラムの洗浄に使用するための水を供給するウォーターポンプと水タンクが備えられています。これにより、コンクリートのスランプ(流動性)調整が現場で可能です。
  • ホッパーとシュート: ドラムの入口部分にはホッパーがあり、コンクリートを充填するための入り口として使用されます。また、シュートはコンクリートを現場に流し込む際に使用する排出口のことで、角度や方向を調整できるようになっています。

アジテータートラックの用途

アジテータートラックは、主に建設工事現場で生コンクリートを供給するために使用されます。

以下のような用途があります。

  • コンクリート打設: 建物の基礎、道路、橋梁、ダムなどの建設において、生コンクリートの打設が必要な現場で活躍します。生コンクリートを現場に運搬し、その場で適切な量を打設するために使われます。
  • コンクリートの品質維持: 生コンクリートは、混ぜた直後から固化が始まるため、品質の維持が非常に重要です。アジテータートラックは、ドラムを回転させることでコンクリートの攪拌を続け、運搬中に品質を保つ役割を果たします。

作業の仕組み

アジテータートラックの作業は、以下の手順で行われます。

  1. コンクリートプラントでの積み込み: 生コンクリートを製造するコンクリートプラントで、トラックのドラムにコンクリートを積み込みます。このとき、コンクリートのスランプ(流動性)を適切に調整します。
  2. 運搬中の攪拌: 運搬中は、ドラムが回転し続けることでコンクリートが攪拌され、固化を防ぎます。ドラムの回転速度は通常、1分間に1~3回転程度に設定されます。
  3. 現場での打設: 現場に到着したら、ドラムの回転方向を逆転させてコンクリートを排出します。シュートを使用してコンクリートを所定の場所に流し込み、必要に応じて追加の攪拌を行いながら打設します。
  4. ドラムの洗浄: 使用後は、ドラム内部に残ったコンクリートを洗浄して清掃します。これは次回の使用時に固化したコンクリートが混入しないようにするためです。

アジテータートラックの種類

アジテータートラックには、用途や運搬容量に応じていくつかの種類があります。

  • 標準型アジテータートラック: 一般的なタイプで、容量は4~12立方メートル程度です。中小規模の建設現場に適しています。
  • 大容量アジテータートラック: 12立方メートル以上の大容量ドラムを持つトラックで、大型プロジェクトや長距離運搬に使用されます。
  • 小型アジテータートラック: 狭い道路や都市部の工事現場など、限られたスペースでの作業が必要な場合に適しています。容量は2~4立方メートル程度です。
  • コンパクト型: 小型の車体に搭載されたアジテータートラックで、狭い道路や都市部の工事現場などでの運搬に適しています。

アジテータートラックの運転におけるポイント

アジテータートラックの運転には、以下のような注意点があります。

  • ドラムの回転速度管理: 運搬中のドラムの回転速度を適切に管理しないと、コンクリートが分離したり、固化したりするリスクがあります。適切な回転速度を維持することで、コンクリートの品質を保つことが重要です。
  • 運搬時間の管理: 生コンクリートは、製造から打設までの時間が長くなると品質が低下するため、運搬時間を厳密に管理する必要があります。一般的に、運搬から打設までの時間は90分以内が推奨されます。
  • 道路状況の考慮: アジテータートラックは、積載時に重量が重くなるため、道路状況やカーブ、坂道などに注意して運転する必要があります。急ブレーキや急ハンドルを避け、安全運転を心がけましょう。
  • ドラムの洗浄の徹底: 使用後のドラム洗浄を怠ると、内部に固まったコンクリートが次回使用時に問題を引き起こす可能性があります。洗浄は毎回徹底して行うことが重要です。

アジテータートラックの技術進化

近年、アジテータートラックの技術も進化しており、以下のような改良が見られます。

  • 自動攪拌制御: ドラムの回転速度や方向を自動で調整するシステムが導入されており、コンクリートの品質をより安定して維持できるようになっています。
  • 軽量化技術: トラック本体やドラムの素材に高強度軽量材料を使用することで、車両重量を軽減し、燃費効率を向上させる取り組みが行われています。
  • GPS追跡とリアルタイム品質管理: GPSを使ってトラックの位置を管理し、運搬中のコンクリートの状態をリアルタイムで監視するシステムも登場しています。これにより、より精密な品質管理が可能です。

アジテータートラックは、コンクリートの運搬と品質維持において重要な役割を果たしています。

適切なメンテナンスと運転が行われることで、効率的なコンクリート打設が可能になり、建設プロジェクトの成功に寄与します。

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