キッチンカー(フードトラック)でのカレー販売は、移動式の飲食ビジネスとして人気が高く、比較的低コストで始められる点が魅力です。
しかし、成功するためには、メニューの工夫や設備投資、営業許可の取得、マーケティング戦略など、多くのポイントを押さえる必要があります。
以下、キッチンカーでカレーを販売する際の重要なポイントを詳しく解説します。
目次
キッチンカーでカレーを販売するメリット
低コストで開業可能
- 店舗型の飲食店と比べて、家賃がかからず開業コストを抑えられる
- 内装工事費用が不要
- 必要な設備を最小限に抑えることで、初期費用を削減
立地を柔軟に変更できる
- 需要があるエリアへ移動して販売できる
- イベントやフェス、オフィス街、観光地など、人が集まる場所で販売可能
独自性を出しやすい
- 個性的なカレーのレシピで差別化が可能
- SNSでブランディングしやすく、ファンを獲得しやすい
キッチンカーでカレーを販売するための準備
必要な営業許可の取得
キッチンカーでカレーを販売するには、保健所からの営業許可が必要です。
地域によって異なるため、開業予定の自治体の保健所に確認しましょう。
主な許可・資格
- 移動販売営業許可
- 保健所で取得が必要
- 調理設備の基準(シンクの数、水道設備、換気設備など)を満たす必要がある
- 食品衛生責任者資格
- 各都道府県の食品衛生協会が開催する講習を受講して取得
- 道路使用許可
- 公道で営業する場合は警察署に申請が必要
- イベント・フェス出店許可
- 各イベントの規定に沿った申請が必要
キッチンカーの選定
カレー販売に適したキッチンカーを選ぶ際のポイントを考えます。
キッチンカーの種類
- 軽バンタイプ
- 小回りが利き、駐車スペースの確保がしやすい
- 内部が狭いため、事前に仕込んだカレーを温めて提供するスタイルが向いている
- 普通車・トラックタイプ
- 調理スペースが広く、本格的な調理が可能
- 設備費用が高くなりやすい
- トレーラータイプ
- 店舗感が強く、長期間の出店に向いている
- 牽引車が必要
設備のポイント
- シンク(手洗い・調理用)
- 冷蔵庫・冷凍庫
- ガスコンロまたはIHコンロ
- 発電機(電源確保が必要な場合)
- 換気扇
- 保温器(カレーを温かい状態で提供するため)
メニューの考案
キッチンカーでのカレー販売では、競争が激しいため、メニューの独自性が重要です。
人気のカレースタイル
- スパイスカレー
- スパイスをふんだんに使い、健康志向の人に人気
- 欧風カレー
- まろやかでコクのあるルータイプ
- バターチキンカレー
- クリーミーで食べやすく、女性や子供に人気
- キーマカレー
- 持ち運びやすく、ライスやナンとの相性も良い
- ヴィーガンカレー
- 野菜のみを使い、健康志向の人をターゲットに
- オリジナルカレー
- 地元の特産品を活かしたカレー(例:牡蠣カレー、和牛カレー)
サイドメニュー
- ナンやターメリックライス
- サラダやピクルス
- サモサや唐揚げなどの軽食
販売戦略とマーケティング
販売エリアの選定
以下のようなエリアでの営業が効果的です。
- オフィス街(ランチ需要が高い)
- 観光地(外国人向けにエスニックカレーが人気)
- フェス・イベント会場(短期間で多くの客にアプローチ可能)
- 大学周辺(学生向けに安価なカレーを提供)
SNSを活用した集客
- Instagram・Twitterで情報発信
- キッチンカーの出店場所を事前に告知
- 美味しそうなカレーの写真を投稿
- LINE公式アカウントの活用
- クーポンを配布し、リピーター獲得
- Googleマップの活用
- キッチンカーの位置情報を登録
販売促進の工夫
- トッピングの選択肢を増やす
- セットメニューで客単価を上げる
- テイクアウトしやすいパッケージを使用
- 雨の日割引やSNSシェア割引を導入
原価計算と価格設定
カレーの販売価格は、原価とターゲット層を考慮して決めます。
原価の内訳
例:チキンカレー1食(原価率30%を想定)
- 鶏肉:100円
- 玉ねぎ・トマト:50円
- スパイス:30円
- ライス:40円
- 容器・スプーン:50円
- ガス・水道代:30円 → 合計:300円
販売価格の決め方
- 低価格路線(500円〜700円):回転率を重視
- 標準価格(800円〜1000円):競争力を保ちつつ利益を確保
- 高級路線(1200円〜1500円):高品質な食材を使用し、差別化
まとめ
キッチンカーでカレーを販売するには、営業許可の取得、設備投資、販売戦略の構築など多くの準備が必要ですが、適切な計画を立てれば成功しやすいビジネスです。
特に、独自性のあるメニュー、効果的なマーケティング、適正な価格設定が成功の鍵を握ります。
まずは小規模で試しながら、売れ筋メニューや最適な営業場所を見極めていくのがオススメです。