キッチンカーの自作はできるのか

キッチンカー（移動販売車）の自作は可能ですが、多くの要素を考慮する必要があります。

法律や規制、必要な設備、改造費用、運営のポイントなどについて詳しく解説します。

キッチンカーの自作は可能か？

結論として、自作は可能ですが、多くの準備と規制をクリアする必要があります。

特に、食品衛生法、車両改造の法規制、消防法などを理解し、遵守することが重要です。

メリット

• 初期費用を抑えられる（業者に依頼すると約300〜800万円かかる）
• 自分の理想に合わせたカスタマイズができる
• 既存の車両を活用できる（中古車など）

デメリット

• 法規制のクリアが大変（保健所・陸運局・消防署などの審査）
• 設計や施工のスキルが必要（DIYでは難しい部分も）
• 保健所の基準に合わせるため、設備面で妥協できない

キッチンカー自作の流れ

車両の選定

キッチンカーを作るには、ベースとなる車両を選ぶ必要があります。

おすすめの車両タイプ

車両タイプ	特徴
軽バン・軽トラック	小型で維持費が安く、狭い場所でも運営しやすい（例：ホンダ アクティ、スズキ キャリー）
ワンボックスバン	車内スペースが広く、調理設備をしっかり組み込める（例：ハイエース、キャラバン）
小型トラック	大型キッチンカーを作りたい場合に最適（例：キャンター、エルフ）

注意点

• 車検が通る範囲で改造する必要がある（構造変更申請が必要な場合あり）
• 中古車を選ぶ場合は、走行距離と車体の状態をチェック
• レンタカーを使う選択肢もある（初期費用を抑える）

内装・設備の準備

キッチンカーは、食品を扱うため、保健所の基準を満たす設備を整える必要があります。

基本設備

設備	役割・ポイント
シンク（2槽以上推奨）	食材・食器を洗うために必須。サイズ基準あり
給排水タンク	清潔な水を確保し、排水を適切に処理
冷蔵・冷凍庫	食材の鮮度管理。車載対応のものを選ぶ
換気扇・排気設備	調理時の煙や臭いを外に逃がす
発電機・バッテリー	電源確保（インバーターを使用することも）
作業台・収納棚	使いやすい配置で調理しやすくする
消火器	消防法に基づき、適切なサイズを設置

保健所の規定を必ず確認

• シンクは最低2槽式（食品洗い用・手洗い用）が必要
• 給水タンク・排水タンクはそれぞれ20L以上が推奨
• 食品を扱う場所の壁や床は清掃しやすい素材（ステンレスやプラスチックパネル）を使う

車両の改造

内装・設備が決まったら、実際に車を改造します。

主な改造ポイント

• キッチンカー専用の換気・排気設備を設置
• シンクやタンクを車両に固定
• 窓やカウンターを設置し、販売しやすい仕様にする
• 電気系統を整備（バッテリー・インバーター・発電機の設置）
• 車両の強度・バランスを考えた設計（重量配分）

改造方法

• DIYでやる場合
  • 内装の木工・収納・カウンター設置はDIY可能
  • 電気・給排水設備は専門業者に依頼が安心
• 業者に依頼する場合
  • 予算に応じて「部分的なカスタマイズ」を依頼するのもあり

改造費用の目安

• DIYの場合：約50〜150万円
• 業者依頼の場合：約200〜500万円

保健所・車両登録の手続き

キッチンカーを営業するには、保健所の営業許可と車両登録が必要です。

営業許可の取得

• 保健所に行き、移動販売の営業許可を申請
• 設備チェック（シンク、給排水、冷蔵庫など）を受ける
• 許可が下りるまで1週間〜1ヶ月程度

車両の登録

• 陸運局で「構造変更申請」を行う（改造内容による）
• 任意保険・業務用の自動車保険に加入
• 道路交通法に基づいた駐車場所の確保も重要

自作キッチンカーの成功ポイント

キッチンカーを自作した後、成功するためには運営面の工夫が必要です。

販売メニューをシンプルに

• 調理工程がシンプルで提供が速いメニューを選ぶ
• 食材ロスを減らすため、日持ちするものを工夫
• 例）唐揚げ・タコス・ホットサンド・クレープ・カレーなど

出店場所を工夫

• 人が集まるエリア（オフィス街、公園、イベント会場）を狙う
• 曜日ごとに出店場所を変える戦略もあり
• マルシェやフェスに出店するのも収益アップにつながる

SNSで集客

• Instagram・X（旧Twitter）・TikTokで発信
• 出店スケジュールを定期的に告知
• 美味しそうな写真を投稿し、フォロワーを増やす

キッチンカー自作のまとめ

項目	ポイント
車両選び	軽トラ・ワンボックスが人気
設備	保健所の基準を満たすことが必須
改造費	DIYなら50万〜150万円、業者依頼なら200万〜500万円
営業許可	保健所・陸運局の手続きが必要
成功のコツ	メニューを絞り、SNS集客と出店場所戦略が重要

キッチンカーの自作は大変ですが、初期コストを抑え、自分好みの車両を作れるメリットがあります。

成功の鍵は事前準備・法規制クリア・マーケティングをしっかり行うことです！