キッチンカー（移動販売車）を営業する際に、調理師免許が必ずしも必要ではないケースがありますが、事業内容や地域によって異なる規定があります。
以下に詳しく説明します。
目次
調理師免許が不要な理由
調理師免許は「調理師法」に基づいて必要とされる資格ですが、これはあくまで「調理師」という職業に従事するための資格です。
キッチンカーで営業する場合、食品を扱う事業者としての資格や許可が別途必要であり、必ずしも調理師免許を取得する必要はありません。
- 営業許可が重要
キッチンカーでの営業には、保健所が発行する「飲食店営業許可」または「移動販売車営業許可」が必要です。この許可を取得するためには、キッチンカーの設備が食品衛生法に準拠していることを証明する必要がありますが、調理師免許は求められません。
営業許可取得の要件
営業許可を取得するために、以下の条件を満たす必要があります。
設備要件
- シンク：最低でも2槽シンクが必要（地域により3槽必要な場合も）。
- 給排水設備：充分な容量の給水タンクと排水タンク。
- 冷蔵庫・冷凍庫：食品の保存に必要な温度を保てるもの。
- 換気設備：調理中の煙や蒸気を排出する設備。
- 調理台：衛生的で掃除がしやすい素材で作られたもの。
衛生管理者の選任
営業許可の条件として、食品衛生責任者を設置する必要があります。
この役割を果たすためには、以下のいずれかを満たす必要があります。
- 食品衛生責任者講習を受講（最も簡単な方法）
- 調理師免許、栄養士免許、製菓衛生師免許などを保有
調理師免許が必要になるケース
以下の場合は、調理師免許が必要になる可能性があります。
- 「調理師」を名乗る場合：キッチンカーの広告や営業中に「調理師」という肩書を使う場合は、調理師免許が必要です。
- 一部の特殊な食品の取り扱い：地域や取り扱う食品によっては、特別な資格や許可（例：魚介類の生食加工）が求められる場合があります。
調理師免許がない場合の注意点
調理師免許がなくても営業は可能ですが、以下の点に注意する必要があります。
- 衛生管理の徹底：食品衛生責任者講習で学ぶ内容を実践し、衛生管理に注意。
- 食品表示法の遵守：販売する食品に関する成分表示やアレルギー表示の義務を守る。
- 地域ごとの規制の確認：保健所や地方自治体によって要件が異なる場合があるため、事前確認が重要。
まとめ
キッチンカーで営業する際には、基本的に調理師免許は不要ですが、「飲食店営業許可」または「移動販売車営業許可」が必要であり、そのために食品衛生責任者を選任する必要があります。
調理師免許がなくても食品衛生責任者講習を受ければ営業可能ですが、衛生管理や法令遵守には細心の注意を払いましょう。
さらに詳しい情報は、地元の保健所に相談することで得られます。
