キッチンカー(フードトラック)を運営する際には、食品衛生責任者が必要です。
食品を扱う事業を始める場合、法律に基づいて食品衛生管理を徹底するための資格や登録が求められます。
以下で詳しく説明します。
目次
食品衛生責任者とは?
食品衛生責任者は、飲食店や食品販売を行う事業者が法令を守り、食品の安全を確保するために必要な資格を持つ人物です。
食品衛生法に基づき、事業所ごとに必ず1人以上の食品衛生責任者を配置する必要があります。
キッチンカーに食品衛生責任者が必要な理由
- 食品を扱う営業許可の要件
キッチンカーで営業を行うには、営業許可が必要です。その際、食品衛生責任者を配置することが要件の1つとなっています。 - 食品の安全性を確保するため
キッチンカーは屋外で営業するため、衛生管理の重要性が特に高い環境です。食品衛生責任者が適切な知識をもとに衛生管理を行うことで、食品による健康被害を防ぎます。 - 保健所の指導の窓口
食品衛生責任者は保健所の指導を受ける窓口となり、営業者が衛生基準を守るようサポートします。
食品衛生責任者になるには?
食品衛生責任者になるためには、以下のステップを踏む必要があります。
- 食品衛生責任者講習会を受講
各都道府県の食品衛生協会が開催する講習会を受講し、修了証を取得します。- 所要時間: 通常1日(6~8時間程度)
- 内容: 食品衛生法、衛生管理の基礎、食品の取扱い方法など
- 講習修了証を取得
講習会を修了すると、食品衛生責任者としての資格が認められます。 - 営業許可申請時に資格を証明
営業許可の申請書類とともに、修了証のコピーを保健所に提出します。
キッチンカー特有の注意点
- 移動販売専用の営業許可
キッチンカーは固定店舗とは異なり、移動販売専用の営業許可が必要です。この許可では、食品衛生責任者の配置も必須です。 - 施設基準の遵守
キッチンカーには、調理場の設計や設備に関する基準があります(手洗い場、換気設備、冷蔵設備など)。食品衛生責任者としてこれらの基準を理解し、運営中に問題がないように管理する必要があります。 - 都道府県ごとの違い
営業許可や食品衛生責任者の資格要件は、都道府県ごとに若干の違いがあるため、営業予定の地域の保健所に確認してください。
食品衛生責任者の役割
- 日常の衛生管理
調理器具やキッチンカー内部の清掃、食材の保管温度管理などを行います。 - 従業員への指導
衛生管理の重要性を従業員に説明し、必要な知識を共有します。 - 保健所対応
保健所の検査や指導に対応し、指摘事項があれば改善を行います。
食品衛生責任者がいない場合のリスク
- 営業許可が取得できない
- 保健所から営業停止を命じられる可能性
- 食中毒などのトラブル発生時に責任問題が生じる
まとめ
キッチンカーを営業するには、食品衛生責任者の資格が必須です。
この資格は比較的簡単に取得できますが、取得後も衛生管理や保健所の指導に対応するなど責任が伴います。
営業地域の保健所に具体的な条件を確認し、必要な手続きを進めることが重要です。