キッチンカー（移動販売車）を運営するためには、地域や提供するサービス内容に応じていくつかの免許や許可が必要です。
以下は、キッチンカーで食品や飲料を提供する際に一般的に必要とされる免許について詳しく解説します。
目次
食品衛生責任者の資格
必要性
キッチンカーで食品を提供する場合、食品衛生責任者の資格を持つ人が必要です。
この資格は、食品の安全と衛生を確保するために設けられています。
取得方法
- 各都道府県や保健所が開催する食品衛生責任者講習会を受講することで取得できます。
- 講習は1日で完了する場合が多く、費用は約3,000円～10,000円程度です。
主な内容
- 食品の衛生管理
- 食中毒の予防
- 器具の消毒や洗浄方法
営業許可証
必要性
キッチンカーを営業するには、保健所から営業許可を取得する必要があります。
地域ごとに規定が異なるため、運営予定のエリアを管轄する保健所で確認する必要があります。
主な要件
- 設備基準: キッチンカー内に必要な設備（給排水設備、冷蔵庫、手洗い場など）が整っていること。
- 衛生基準: 作業場の衛生が保たれていること。
- 食品表示: 提供する食品に適切な表示を行うこと。
申請に必要な書類
- 営業許可申請書
- キッチンカーの設計図
- 食品衛生責任者の資格証明書
- 資格者の顔写真（必要な場合）
- 手数料（地域によって異なります）
注意点
営業許可は都道府県単位で発行されるため、複数の地域で営業する場合、それぞれの地域で許可を取得する必要があることがあります。
移動販売に関する道路使用許可
必要性
キッチンカーを道路や公共の場所で営業する場合、警察署から道路使用許可を取得する必要があります。
主な手続き
- 営業予定場所を管轄する警察署で申請します。
- 使用目的、時間帯、車両の種類などを詳細に記載します。
- 許可が下りるまでに数日～数週間かかることがあります。
ガス設備や電気設備に関する点検証明
必要性
キッチンカー内でガスや電気設備を使用する場合、安全性を証明する点検証明が必要な場合があります。
主な要件
- ガス機器や電気機器が適切に設置され、安全に使用できる状態であること。
- 点検業者に依頼して証明書を取得します。
火気使用に関する届け出（必要な場合）
必要性
火気（ガスコンロやグリルなど）を使用する場合、地域によっては消防署への届け出が必要になることがあります。
事業用車両の登録
必要性
キッチンカーを営業用として使用する場合、車両を「事業用車両」として登録する必要があります。
主な手続き
- 運輸支局でナンバープレートの変更手続きを行います。
- 車両保険も事業用として適用できる内容に変更します。
その他の注意点
- 税務署への開業届出: 個人事業主として開業する場合、税務署に開業届を提出します。
- 自治体のルール確認: 地域によっては特定の公園や広場での営業に追加許可が必要な場合があります。
キッチンカーの運営は手続きが多いですが、必要な許可を正しく取得することで、法律に従った安全な運営が可能になります。
具体的な地域の規定については、地元の保健所や警察署、自治体に直接問い合わせることをおすすめします。
