カーラッピングを適切に剥がすことは、美観を保ちつつ車体を元の状態に戻すために非常に重要です。
不適切な剥がし方をすると、塗装の損傷や糊残りが発生する可能性があります。
以下にカーラッピングの適切な剥がし方と注意点について詳しく説明します。
適切な時期の見極め
カーラッピングフィルムの剥がしやすさは、貼ってからの期間に影響されます。
一般的に、フィルムは3~5年以内に剥がすことが推奨されます。
これを過ぎると、フィルムや接着剤が劣化して剥がしにくくなることがあります。
必要な道具の準備
フィルムを剥がす際には、以下の道具を準備しておくと作業がスムーズに進みます。
- ヒートガンまたはヘアドライヤー: フィルムを温めて柔らかくし、剥がしやすくするために使用します。特にヒートガンは高温に設定できるため、フィルムを効率的に温められます。
- プラスチックスクレーパー: フィルムのエッジを持ち上げるために使います。金属製のものは車体に傷をつける可能性があるため、プラスチック製を使用します。
- 接着剤除去剤: フィルムを剥がした後に残った糊を取り除くために使用します。カーラッピング専用のものが最適です。
- マイクロファイバークロス: 糊を拭き取る際に使用します。柔らかい素材のクロスを使うことで車体の塗装を傷つけることを防げます。
フィルムを剥がす手順
ステップ1: フィルムの温め
フィルムを剥がす前に、ヒートガンやヘアドライヤーを使ってフィルムを温めます。
これにより、フィルムが柔らかくなり、剥がしやすくなります。
ヒートガンの温度は60~80度程度が適切です。フィルム全体を均一に温めるようにしましょう。
ステップ2: フィルムの端を持ち上げる
フィルムの端をプラスチックスクレーパーを使って持ち上げます。
慎重にスクレーパーを差し込み、フィルムのエッジを少しずつ浮かせます。
無理に引っ張ると塗装にダメージを与える可能性があるため、ゆっくりと作業します。
ステップ3: フィルムを剥がす
フィルムの端を持ち上げたら、手でゆっくりと剥がしていきます。
フィルムを車体に対して平行に、45度の角度で引っ張ると剥がしやすいです。
急激に引っ張らず、一定の速度でゆっくりと剥がすことで、塗装へのダメージを防げます。
ステップ4: フィルムの再加熱
フィルムが剥がれにくい場合や、硬くなっている場合は、再度ヒートガンで温めます。
特に曲面やエッジ部分は温めると剥がしやすくなります。
糊残りの除去
フィルムを剥がした後に接着剤が残った場合は、糊残りを適切に除去する必要があります。
ステップ1: 接着剤除去剤の塗布
カーラッピング専用の接着剤除去剤をマイクロファイバークロスに含ませ、糊が残っている部分に塗布します。
接着剤除去剤を直接車体にスプレーしても構いません。
ステップ2: 糊の拭き取り
接着剤除去剤を塗布した後、数分間放置して接着剤が溶けるのを待ちます。
その後、マイクロファイバークロスで優しく拭き取ります。
強くこすりすぎると塗装を傷つける可能性があるため、丁寧に拭き取りましょう。
ステップ3: 洗車
糊を取り除いた後は、車体を洗車して残った接着剤除去剤を洗い流します。
これにより、車体表面がきれいになり、次のラッピングの準備が整います。
注意点
- 高温に注意: ヒートガンを使用する際は、高温になりすぎないよう注意してください。高温でフィルムを温めすぎると、塗装やフィルム自体にダメージを与える可能性があります。適度な温度で均一に温めることが重要です。
- 車体の状態に注意: フィルムを剥がす前に、車体の塗装が劣化していないか確認しましょう。塗装が劣化している場合、フィルムを剥がす際に塗装が剥がれるリスクが高くなります。
- プロに依頼: 自分でフィルムを剥がすのが難しい場合や、車の塗装がデリケートな場合は、プロに依頼することを検討してください。プロは適切な道具と技術を持っており、安全にフィルムを剥がしてくれます。
まとめ
カーラッピングを適切に剥がすためには、事前にフィルムを温めて柔らかくし、ゆっくりと一定の力で剥がすことが重要です。
また、剥がした後の糊残りの除去も慎重に行う必要があります。
適切な道具と方法を使ってフィルムを剥がすことで、車体の塗装を傷つけることなく元の状態に戻すことができます。