ヘッドライトにプロテクションフィルムを貼ることは、車の保護や見た目の向上に役立ちます。
しかし、フィルムの種類や施工方法によっては車検に通らなくなる可能性があります。
目次
車検で求められるヘッドライトの基準
日本の車検(継続検査)では、道路運送車両の保安基準に基づき、ヘッドライトには以下の要件が求められます。
光量(明るさ)
ヘッドライトは、一定以上の明るさを確保しなければなりません。
- ロービームで 6400カンデラ以上
- ハイビームで 12,000カンデラ以上
- 測定方法はヘッドライトテスターを使用
プロテクションフィルムが光量を低下させると、基準以下の明るさと判断され車検に落ちることがあります。
色温度と発光色
- ヘッドライトの色は白または淡黄色と規定されています。(道路運送車両の保安基準第32条)
- プロテクションフィルムに着色があると、光の色が変わり車検に不適合となる可能性が高いです。
- 特にスモーク系・ブルー系のフィルムはNGになりやすい。
光の拡散(配光特性)
- ヘッドライトの光は適切にカットオフライン(光の境界線)が出ている必要があります。
- フィルムが拡散性を持つ場合、光の配光パターンが変わり、対向車を眩惑させる可能性があります。
ヘッドライトの素材(UVカット機能)
- 最近の車は、ヘッドライトがポリカーボネート製であるため、劣化防止のためにUVカットのコーティングが施されています。
- 一部のプロテクションフィルムはUVカット機能があり、保護としては有効ですが、フィルムの剥がれや変色が起こると車検時に指摘されることがある。
車検に通らないプロテクションフィルムの例
以下のようなフィルムは、車検に通らない可能性が高いです。
❌ 適合しないプロテクションフィルム
- スモーク・ダーク系のフィルム
- 光量が大幅に低下しやすい
- 色が変化して基準外になる
- ブルー系・イエロー系のフィルム
- 色温度の基準を超えるとNG
- マット系・拡散系フィルム
- 光の拡散が発生し、対向車の眩惑を引き起こす
- 厚すぎるフィルム
- 透明でも光の透過率が低下し、車検NGになる可能性がある
車検に通る可能性のあるプロテクションフィルム
以下の条件を満たすフィルムであれば、車検に適合する可能性が高いです。
⭕ 適合しやすいプロテクションフィルム
透明(クリア)タイプのプロテクションフィルム
→ 光量や色に影響が少ない
JIS規格やEマーク取得済みのフィルム
→ 保安基準適合品として販売されているもの
耐UV・耐黄変性能のある薄いフィルム
→ ヘッドライトの寿命を延ばしつつ、基準を満たす
車検に通るか不安な場合の確認方法
プロテクションフィルムを貼った状態で車検に通るかどうか、事前に確認する方法があります。
確認方法
- 事前に光量テストを行う
- 車検を実施する整備工場でヘッドライトテスターを使い、光量が基準を満たしているか確認
- ディーラーや指定整備工場で相談
- 貼る前に「このフィルムは車検に適合しますか?」と確認
- ユーザー車検の場合、陸運局で事前相談
- 陸運局の窓口で「この状態で車検に通るか?」と聞くと、適合基準について詳しく教えてもらえる
まとめ
ヘッドライトにプロテクションフィルムを貼ると、車検に通るかどうかはフィルムの種類によるため、注意が必要です。
🚫 車検NGになる可能性が高いフィルム
- スモーク(濃い色付き)
- ブルー・イエロー系
- 光を拡散させるタイプ
- 厚すぎるフィルム
✅ 車検に通る可能性が高いフィルム
- 透明なプロテクションフィルム
- JIS規格適合品
- 光量や配光に影響を与えないもの
🔎 車検前に確認するポイント
- 事前に光量テストを実施
- ディーラーや整備工場で確認
- 陸運局に問い合わせ
もしプロテクションフィルムを貼る場合は、透明タイプで光量低下が少ない製品を選び、事前確認をするのがベストです。