ダンプカーの荷台を上げる方法について、詳しく解説します。
ダンプカーの荷台を上げるには、油圧システムを使って荷台(ダンプボディ)を傾ける仕組みになっています。
以下の点を詳しく説明します。
目次
ダンプカーの荷台を上げる基本的な仕組み
ダンプカーの荷台を上げるには、油圧シリンダー(またはテレスコピックシリンダー) を利用します。
これは、油圧ポンプが作動し、シリンダーが伸びることで荷台が持ち上がる仕組みになっています。
主な構成要素
- 油圧ポンプ:エンジンの動力で作動し、油圧を供給する。
- 油圧シリンダー:ポンプから送られる油圧でピストンを押し出し、荷台を持ち上げる。
- コントロールバルブ:荷台の上げ下げを制御するためのレバーやスイッチ。
- リザーバータンク:油圧オイルを貯めておくタンク。
ダンプカーの荷台を上げる手順
エンジンを始動
- ダンプ機能はエンジンの動力を利用するため、必ずエンジンをかけた状態で行います。
駐車ブレーキをしっかりかける
- 荷台を上げると重心が変わり、車両が動きやすくなるため、駐車ブレーキを確実にかけることが重要です。
PTO(パワーテイクオフ)を作動させる
- PTOとは、エンジンの動力を油圧ポンプに伝えるための装置です。
- ダンプ専用のスイッチやレバーを操作して、PTOをオンにします。
荷台の昇降レバー(またはスイッチ)を操作
- ダンプのレバーまたはスイッチを「上げる」位置に操作すると、油圧シリンダーが作動し、荷台が上がります。
荷台が完全に上がるまで待つ
- 荷台が十分に上がるまで、油圧の動きがスムーズか確認しながら操作します。
- 十分に上がったら、レバーをニュートラル(中立位置) に戻します。
荷下ろし後に荷台を下げる
- 荷物を下ろしたら、レバー(またはスイッチ)を「下げる」位置に動かすと、油圧が抜けて荷台が自然に降りていきます。
PTOをオフにする
- ダンプ操作が終わったら、PTOを確実にオフにします。
- PTOを切り忘れると、油圧ポンプが作動し続けて燃費が悪化したり、ポンプが故障する原因になります。
ダンプ操作の注意点
周囲の安全を確認
- 荷台を上げるときは、周囲に人がいないか、上部に障害物(電線・建物の屋根など)がないかを確認してください。
- 荷物が不均等に積まれていると、横転の危険もあります。
ダンプアップ中は車両を動かさない
- 荷台が上がった状態で移動すると、重心が高くなり、転倒のリスクが高まるため、完全に降ろしてから移動してください。
荷物が詰まらないようにする
- 荷物(特に粘土質の土や砂利)が詰まると、荷台が戻らない、もしくは油圧に負担がかかることがあります。
- 必要に応じて、荷台の内側を掃除することも重要です。
油圧オイルの点検
- 荷台がスムーズに上がらない場合は、油圧オイルの量が不足している可能性があります。
- 定期的に点検し、適切な油圧オイルを補充してください。
冬場の凍結に注意
- 冬場は油圧オイルが冷えて粘度が増し、シリンダーの動きが鈍くなることがあります。
- 必要に応じて寒冷地仕様の油圧オイルを使用してください。
ダンプカーの荷台が上がらないときの対処法
もし荷台が上がらない場合、以下の点をチェックしてください。
PTOがオンになっているか
- PTOが作動していないと、油圧が供給されず荷台が動きません。
- スイッチを確認し、PTOをオンにしてください。
油圧オイルの量が十分か
- 油圧オイルが不足していると、シリンダーが正常に動作しません。
- リザーバータンクを確認し、必要なら補充してください。
荷物が過積載になっていないか
- 過積載の場合、油圧の力では荷台を持ち上げられないことがあります。
- 適正な積載量を守るようにしましょう。
油圧シリンダーやホースに異常がないか
- シリンダーの動きが鈍い場合、ホースの劣化や油漏れが原因かもしれません。
- 点検し、必要なら修理や交換を行いましょう。
電気系統の異常
- 電動スイッチでダンプ操作を行う場合、ヒューズが切れていたり、配線トラブルがあると動作しないことがあります。
ダンプカーの荷台の種類による違い
リアダンプ(標準タイプ)
- 荷台が後方に傾く一般的なタイプ。
- 主に砂利や土などの運搬に使用。
三転ダンプ
- 荷台が後方・左右の3方向に傾けられるタイプ。
- 工事現場など、スペースが限られている場所で便利。
セミトレーラーダンプ
- 大型トレーラーの荷台部分がダンプするタイプ。
- 大量の土砂や建設資材の運搬向け。
まとめ
ダンプカーの荷台を上げるには、PTOを作動させ、油圧ポンプでシリンダーを動かすことで可能になります。
正しい手順を守らないと、故障や事故の原因になるので、駐車ブレーキの確認、過積載の防止、油圧オイルの点検などをしっかり行うことが重要です。
もしダンプカーの荷台が動かない場合は、PTOの作動確認、油圧オイルの点検、過積載の確認、油圧ホースの点検などを順番にチェックしてみてください。