バスラッピング(バス広告・ラッピングバス)は、車体全体や一部に広告を施すことで、街中を走る移動型の広告として活用されます。
効果的なバスラッピングデザインを作るには、視認性、ブランド訴求、デザインの統一感などを考慮する必要があります。
目次
バスラッピングのデザインの基本原則
遠くからでも一目で伝わるデザイン
バスラッピングは、静止した広告とは異なり、常に動いているため、遠くからでも内容が一目で分かるデザインが求められます。
ポイント
- 大きなフォントを使用する
- 乗用車よりも大きなバスの車体を活かし、テキストやロゴを大きく配置
- 読みやすい書体(ゴシック系、太字)を使用
- シンプルなレイアウト
- 過剰な情報を詰め込まず、1〜2つのメッセージに絞る
- 文字数を減らし、視線が自然に流れるように配置
- コントラストを強調する
- 背景と文字の色の差を明確にする(例:白背景に黒文字、赤背景に白文字)
- 光の反射や影で読みにくくならないようにする
バスの形状に合わせたデザイン
バスには窓、ドア、タイヤ、エアコンの吹き出し口などの構造物があるため、それらを考慮したデザインが必要です。
ポイント
- 窓部分にデザインを配置する場合、透過シートを使用
- 乗客が外を見られるように、窓用の透過ラッピング(マジックミラー風)を採用
- 重要な情報は窓を避けて配置するのが理想的
- ドアの開閉を考慮する
- スライドドアの分割部分にまたがる文字は避ける(開いたときに読めなくなる)
- 開閉時の見え方を考慮し、デザインが破綻しないようにする
- タイヤ周りはデザインを工夫
- タイヤで隠れる部分に重要なメッセージを配置しない
- タイヤアーチを活かした遊び心のあるデザインも可能
企業・ブランドのイメージに合った配色・デザイン
バスラッピングは企業や商品のイメージを視覚的に伝える重要なツールです。
ポイント
- ブランドカラーを前面に
- 企業のコーポレートカラーを基調にし、一貫性を持たせる
- ユニークな色の組み合わせで目立たせる(例:スターバックスのグリーン×ホワイト)
- アイコンやキャラクターを活用
- 企業マスコットやブランドアイコンを活用し、親しみやすさを演出
- イラストを使うと視認性が向上し、子供から大人まで印象に残りやすい
- メッセージ性のあるデザイン
- キャッチコピーやスローガンを目立たせ、ブランドの想いを伝える
- シンプルでインパクトのあるメッセージが効果的(例:「この街とともに100年」「未来を走る〇〇バス」)
ターゲット別のデザイン戦略
企業PR・ブランディング向け
目的:企業やブランドの認知度向上
- 企業ロゴを大きく配置し、ブランドを前面に押し出す
- シンプルなデザインで高級感を演出(例:Appleの白と黒のミニマルデザイン)
- 社会貢献やサステナブルなメッセージを強調(例:SDGsを意識したデザイン)
観光・地域PR向け
目的:観光スポットや自治体のPR
- 風景や特産品を大きく配置し、地域色を出す(例:富士山や桜を全面に)
- その土地の歴史や文化をデザインに取り入れる
- QRコードを入れ、観光情報サイトへ誘導
商品・サービス広告向け
目的:商品の魅力を伝え、購買促進
- 商品の写真やキャラクターを大胆に使用(例:食品なら美味しそうな料理写真)
- 期間限定キャンペーンなら「〇月〇日まで!」と明確に記載
- SNSとの連携を意識し、ハッシュタグやQRコードを配置
バスラッピングデザインの成功事例
コカ・コーラ
- コカ・コーラの赤を基調にし、ブランドの一貫性を強調
- 瓶の形やロゴを大きく配置し、遠くからでも認識しやすい
ディズニーラッピングバス
- ミッキーやディズニーキャラクターを大きく使用し、親しみやすさを演出
- 夢のあるデザインで、乗車するだけで楽しめる雰囲気を作る
地方自治体の観光バス
- 富士山や桜など、日本の象徴的な風景を大胆に使い、観光客の注目を集める
- 公式観光サイトへ誘導するQRコードを目立つ位置に配置
デザイン制作の流れ
- 目的とターゲットを明確にする
- 企業PRなのか、観光促進なのか、販促目的なのかを明確にする
- バスの車体サイズを確認
- 使用するバスの車種ごとにサイズや形状が異なるため、デザイン制作前に確認
- ラフスケッチを作成
- 窓やドアの位置を考慮しながら、全体のレイアウトを決定
- デザイン作成
- Adobe IllustratorやPhotoshopを使用してデータを作成
- 試作品をシミュレーション
- 実際のバスの写真に合成し、見え方を確認
- 印刷と施工
- ラッピングシートを印刷し、専門業者が貼り付け
まとめ
バスラッピングデザインは、動く広告としての特性を活かし、「遠くからでも目立つ」「バスの形状に合ったデザイン」「ブランドイメージを強調する」ことが成功の鍵となります。
ターゲットや目的に応じたデザインを施し、効果的にPRすることで、多くの人々の目に留まり、記憶に残る広告となるでしょう。